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知っておくべき犬のフィラリアの基礎知識|フィラリアの正しい予防を解説

2025.03.21

犬を飼っている方なら、一度はフィラリアという言葉を耳にしたことがあると思います。
しかし、愛犬のためにフィラリアの予防を定期的に行っていても、実際にフィラリア症がどのような病気かを理解していない方は多いのではないでしょうか。

今回は犬のフィラリアについて詳しく解説し、なぜ予防が大切なのかを獣医師の立場からお伝えします。
犬の飼い主様は、ぜひ最後までお読みいただき、フィラリアの理解を深めましょう。

 📍 目次

 ▼ 犬のフィラリア症とは?
 ▼ フィラリア症の症状
 ▼ 正しい予防でフィラリアを防ぐ
 ▼ フィラリアの予防前には検査が必要
 ▼ フィラリア検査は健康診断と合わせて実施しよう
 ▼ フィラリアに関するよくある質問
 ▼ まとめ

犬のフィラリア症とは?

ロッジにいるトイプードル

フィラリア症は別名「犬糸状虫症」とも呼ばれ、蚊を媒介して感染する寄生虫が原因の病気です。
フィラリアという寄生虫が犬の心臓や肺の血管に寄生することで、さまざまな健康問題を引き起こします。
フィラリア症は感染が進行すると、心不全や呼吸困難など命に関わる深刻な症状が現れることもあります。

フィラリアのライフサイクル

フィラリアは以下のようにして犬の体内で成長していきます。

  1. 感染した犬の血液中にフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が存在する
  2. 蚊が感染した犬の血を吸い、ミクロフィラリアを体内に取り込む
  3. 蚊の体内でミクロフィラリアが感染能力を持つ幼虫に成長する
  4. その蚊が他の犬の血を吸う際に、幼虫を犬の体内に注入する
  5. 犬の体内で幼虫が成長し、心臓や肺の血管に移動して成虫になる

このようにフィラリアが成長していきますが、フィラリアが犬の体内に入ってから成虫になるまでにはおよそ半年程度かかるとされています。

フィラリア症の症状

フィラリア症はミクロフィラリアが犬の体内に入ったからといって、すぐに体調に変化がでるわけではありません。
しかし、フィラリアが成長し、心臓や肺の血管に寄生することで、徐々にさまざまな症状が現れるようになります。

フィラリア症の代表的な症状には以下のようなものが挙げられます。

  • 運動不耐性(すぐに疲れる)
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 呼吸困難
  • 腹水(お腹に水がたまる)
  • 失神

これらの症状が現れた時点では、すでにフィラリア症が進行している可能性が高いです。
フィラリア症の感染を防ぐためには予防が非常に重要です。

正しい予防でフィラリアを防ぐ

おやつをもらうシェルティー

フィラリア症は命に関わる危険性もある恐ろしい病気ですが、 予防することでほぼ100%防ぐことができます。
フィラリアの予防薬には、さまざまな種類があるので、愛犬のライフスタイルや体質に合ったものを獣医師と相談の上、選択しましょう。

フィラリア予防薬の種類

犬のフィラリアの予防薬は経口タイプとスポットオンタイプのものがあります。
ここではそれぞれの特徴を詳しくみていきましょう。

経口タイプ

経口タイプは毎月1回、犬に飲ませるタイプの予防薬です。
経口タイプはおやつ感覚で投与できるチュアブルタイプや錠剤タイプがあります。

ただし、犬が薬を吐き出してしまう場合があるので、与えた後はしばらく様子を見るようにしましょう。

スポットオンタイプ

スポットオンタイプは犬の皮膚に直接滴下するタイプの予防薬です。
スポットオンタイプの予防薬も経口タイプと同様に、毎月1回使用します。
飲み薬が苦手な犬にも適していますが、滴下部位を舐めないように注意が必要です。

フィラリアの予防前には検査が必要

診察を受けるシーズー

「フィラリアの予防薬を投与する前はなぜ血液検査が必要なの?」
このような疑問をお持ちの飼い主様も多いと思います。

フィラリアの予防薬を投与する前に血液検査を実施する理由はフィラリア感染の有無を確認するためです。

フィラリア予防薬は、すでにフィラリアに感染している犬に投与すると、体内のフィラリアが一度に死滅し、アナフィラキシーショックや血管の詰まりを引き起こす危険があります。
これにより、犬の命に関わる事態が発生する可能性があるため、事前に感染の有無を確認することが不可欠です。

フィラリア症の検査

フィラリア症の検査には以下のものがあります。

  • 抗原検査:フィラリアの成虫が産生する成分を検出する方法で、もっとも一般的に使用されます。
  • ミクロフィラリア検査:血液中にミクロフィラリアが存在するかどうかを顕微鏡で確認します。

これらの検査は、少量の血液を採取することで簡単に行うことが可能です。
フィラリア症の感染の有無を確認してから予防することで、犬の健康を守り、重篤な副作用を防ぐことができます。

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フィラリア検査は健康診断と合わせて実施しよう

犬のフィラリア検査は健康診断と合わせて行うことがおすすめです。
フィラリア検査を行う際に、同時に健康診断の血液検査も実施することができます。
これにより、犬の一般的な健康状態をチェックし、早期に健康問題を発見することが可能です。
当院ではフィラリア検査を含めたさまざまな健康診断のプランを提供しています。
フィラリア予防前の健康診断を習慣づけ、愛犬の健康を守りましょう。

フィラリアに関するよくある質問

マルバツを出す獣医師とラブラドールレトリーバー

ここではフィラリアに関して、飼い主様からよくある質問について回答していきます。

フィラリア予防薬はいつから始めればいいの?

フィラリア予防薬は蚊が発生する春から秋にかけて使用するのが一般的です。
ただし、地域によっては冬でも蚊が活動している場合があるので、動物病院で適切な開始時期を相談しましょう。
最近では温暖化の影響で通年予防が推奨されることもあります。

室内飼いの犬でもフィラリアの予防をした方がいいの?

蚊は網戸の隙間などからも侵入するため、完全な室内飼育の犬でもフィラリア感染のリスクはゼロではありません。
「うちは室内飼育だから大丈夫」
と安心している飼い主様もいるかもしれませんが、フィラリア予防は確実に行いましょう。

フィラリア予防薬を忘れてしまったらどうすればいいの?

予防薬の投与を忘れてしまった場合、すぐに動物病院に相談しましょう。
投与を忘れてしまった期間によっては、フィラリアに感染してしまっている可能性もあるため、フィラリア検査を受けてから予防薬を再開する必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
フィラリア症は犬の健康を脅かす重大な病気ですが、適切な予防と定期的な検査を行うことで、防ぐことができます。
飼い主様は愛犬の健康を守るために、フィラリアの予防薬の適切な使用と、年に1回の検査を必ず行うようにしましょう。

私たちの動物病院では、フィラリア検査と健康診断を合わせて実施しています。
フィラリア予防や愛犬の健康状態など、気になることがございましたら、気軽に当院までご相談ください。

 

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