「猫の目が白く濁っている」
「最近、元気がない」
「目が見えにくそうな感じがする」
このような症状がある場合、猫伝染性腹膜炎(FIP)が関係している可能性があります。
FIPは、猫コロナウイルスによって発症する致死率の高い病気です。
目にぶどう膜炎を併発することがあり、白濁や視力低下につながることがあります。
今回は、 FIPによるぶどう膜炎の症状や治療法について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の目とFIPの関係について知見を深めてください。
📍 目次 ▼ 猫の目が白く濁るとは? |
猫のFIPとは?なぜ目に影響するのか?
FIP(猫伝染性腹膜炎)は、猫コロナウイルスによって引き起こされる感染症です。
発症すると全身に炎症を引き起こし、
- 腹水や胸水の貯留
- 発熱
- 元気消失
などの症状 が見られます。
特に子猫に発症の多い病気です。
FIPにはウェットタイプとドライタイプ、混合型の3種類があります。
それぞれ出やすい症状が少しずつ違いますが、ぶどう膜炎が起こりやすいのは主にドライタイプのFIPです。
FIPが目に影響を与える理由
FIPウイルスは、血管内皮細胞という血管の壁にダメージを与え、炎症を引き起こします。
目のぶどう膜という部分は血管が多く、炎症がぶどう膜に広がることで、ぶどう膜炎が発生します。
FIPによるぶどう膜炎の症状
FIPによるぶどう膜炎では、以下のような目の異常が見られることがあります。
- 目の白濁(片目だけのことも多い)
- 瞳孔の色が変わる(虹彩炎)
- 目が充血する
- 視力の低下(物にぶつかりやすくなる)
- 眼圧の変化
さらに、眼内出血や網膜剥離を起こすこともあります。
初期は軽度の白濁や充血程度ですが、進行すると視力が低下し、失明する可能性もあるのがぶどう膜炎の怖いところです。
また、FIPは全身性の病気のため、次のような症状も伴うことがあります。
- 発熱
- 食欲低下
- 体重減少
- 腹水・胸水の貯留
- ふらつきやけいれんなどの神経症状
目の異常に加えて発熱や元気消失がある場合は、FIPの可能性があります。
FIPは放置すると致死性が高く命に関わるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
FIPによるぶどう膜炎の診断方法
FIPは確定診断が難しい病気 ですが、以下の方法で総合的に判断します。
- 血液検査(高グロブリン血症・低アルブミン血症の有無)
- 眼科検査(スリットランプでぶどう膜炎を確認)
- PCR検査(FIPウイルスの遺伝子検出)
- 免疫組織化学染色(確定診断のための特殊検査)
FIPによるぶどう膜炎の治療法
FIPによるぶどう膜炎には、まずFIPの根本的な治療が必要です。
FIPの治療を行いながらぶどう膜炎に対する治療も並行して行なっていきます。
FIPの治療は、かつて効果的な方法がないとされていましたが、近年は抗ウイルス薬によって治療効果があるという報告もあります。
抗ウイルス薬以外では免疫抑制剤や抗炎症薬を使うことで、病気の進行を遅らせる治療方法をとっていきます。
併せて抗炎症薬の点眼などを、症状に合わせて使用しながらぶどう膜炎もコントロールしていきます。
しかし、FIPは進行が早く死亡率も高い病気なので治療が間に合わずに死亡してしまうケースも少なくありません。
FIPによるぶどう膜炎は早期発見がカギ
FIPは進行が早いため、早期発見早期治療が重要です。
気になる症状がある場合には早めに動物病院を受診しましょう。
特に目が白く濁っているなどの症状しか出ていないと、様子を見てしまいがちです。
FIPによるぶどう膜炎ではない場合も、目の病気は視力を失う可能性があります。様子見はせずに些細なことでもご相談ください。
まとめ
FIPは猫コロナウイルスによる致死率の高い病気です。
特にドライタイプのFIPではぶどう膜炎を起こすことがあります。
FIPによるぶどう膜炎は白濁や充血に加えて発熱などの症状があるため、目の異常以外にも発熱や元気消失がある場合には注意が必要です。
当院ではFIPのぶどう膜炎だけではなく、眼科治療に力を入れています。
気になる症状がある場合にはお気軽にご相談ください。
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