愛犬の皮膚に赤みやかゆみ、脱毛などが見られると、アレルギーや感染症を疑うことが多いと思います。
しかし、それらの症状が「皮膚型リンパ腫」という悪性腫瘍ということもあるので注意が必要です。
今回は犬の皮膚型リンパ腫の特徴を詳しく解説します。
愛犬の皮膚トラブルにお悩みの飼い主様は、ぜひ最後までお読みいただき、早期発見・治療にお役立てください。
📍 目次 ▼ 犬の皮膚型リンパ腫とは |
犬の皮膚型リンパ腫とは
皮膚型リンパ腫は、リンパ球という免疫細胞が異常に増殖し、皮膚に腫瘍を形成する血液のがんの一種です。
犬のリンパ腫の中でも、皮膚型リンパ腫は比較的まれなタイプとされています。
皮膚型リンパ腫は見た目が他の皮膚病と似ていることが多く、早期発見が難しいことがあるので要注意です。
また、進行すると全身に転移を起こし、命を落とすことが多いです。
初期症状が他の皮膚病と似ていることも。
皮膚型リンパ腫では、
- かゆみ
- 赤み
- 脱毛
- 痂皮(かさぶた)
- 潰瘍
- フケ
- 色素脱失
などの症状が見られます。
これらの初期症状はアトピー性皮膚炎や膿皮症などの他の皮膚病と似ているため、診断が難しいことが多いです。
皮膚型リンパ腫が進行すると全身に腫瘍が広がり、食欲低下などの皮膚以外の症状が出ることもあります。
皮膚型リンパ腫は全身に広がる前に診断をつけることが重要ですね。
皮膚型リンパ腫と他の皮膚病を見分けるポイント
皮膚型リンパ腫は他の皮膚病と似ているため、発見が遅れることが多いです。
皮膚型リンパ腫を早期発見するためには以下のポイントに注意しましょう。
一般的な治療に反応しない
皮膚型リンパ腫は一般的な皮膚疾患に対する治療に対して効果が薄いことが多いです。
犬アトピー性皮膚炎や膿皮症を疑い、治療を行っても反応が悪い場合は皮膚型リンパ腫の可能性を考慮する必要があります。
症状が急速に進行する
皮膚型リンパ腫は、他の皮膚疾患に比べて急速に進行することが多いです。
皮膚型リンパ腫は数週間から数ヶ月の間に症状が悪化することがあり、早期に適切な治療を行わないと、重篤な状態に至る可能性があります。
しかし、ゆっくり進行し、他の皮膚疾患との見分けが困難なこともあるので注意しましょう。
しこりが形成される
犬アトピー性皮膚炎や膿皮症では皮膚の赤みやフケなどがおもな症状であり、しこりができることはあまりありません。
皮膚にしこりができている場合は皮膚型リンパ腫の可能性があります。
高齢になって皮膚トラブルが出てくる
犬アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は若齢のうちから症状が出ることが多いです。
しかし、皮膚型リンパ腫は他の腫瘍性疾患と同様に、高齢になってからの発症がほとんどです。
高齢になってから皮膚トラブルが出てきた場合は皮膚型リンパ腫の可能性を考慮し、注意深く観察することが重要です。
皮膚型リンパ腫の診断
皮膚型リンパ腫の可能性がある場合はすみやかに診断を行うことが大切です。
皮膚型リンパ腫の診断においてもっとも重要な検査は皮膚生検です。生検により、腫瘍組織の一部を取り出し、病理学的に評価することで、リンパ腫の存在を確認します。
また注射針を使用し、病変から細胞を採取する細胞診検査でも診断がつくことがあります。
これらの検査を通じて、皮膚型リンパ腫の正確な診断と適切な治療方針の決定ができますね。
犬の皮膚に異常が見られた場合は、早めに獣医師に相談することが重要です。
犬の皮膚型リンパ腫の治療
犬の皮膚型リンパ腫の治療においてもっとも一般的な方法は化学療法です。
化学療法では抗がん剤を使用して腫瘍細胞の増殖を抑えることを目的とします。
皮膚型リンパ腫は完治が難しいとされており、治療を行っても平均生存期間は約6ヶ月とされています。
しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の管理や生活の質の向上が期待できますね。
また、腫瘍が局所的に存在し、他の部位に転移していない場合には外科的に腫瘍を切除することも選択肢の一つです。
ただし、リンパ腫は全身に広がる可能性が高いため、外科手術を行ったとしても抗がん剤などの補助療法が必要です。
まとめ
皮膚型リンパ腫の早期発見は、治療の選択肢を広げ、生存期間を延ばし、生活の質を向上させるために非常に重要です。
犬の皮膚に異常を感じた場合には、すみやかに獣医師に相談することが推奨されます。
当院では皮膚科の診療に力を入れて取り組んでいます。愛犬の皮膚トラブルにお悩みの方は、気軽にご相談ください。
皮膚型リンパ腫は早期の診断と治療が、犬の健康を守る鍵となります。
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