犬の天疱瘡について|皮膚の瘡蓋(カサブタ)の正体は?
犬には天疱瘡という皮膚の病気があります。
天疱瘡は自己免疫疾患の一つです。
自己免疫疾患とは自分の体を守るための免疫が、間違えて自分の体を攻撃することで起こる病気です。
「天疱瘡ってどんな病気?」
「天疱瘡にかかると命に関わる?」
「天疱瘡は治るの?」
という疑問や心配事をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
今回は犬の天疱瘡について詳しく解説していきます。
ぜひ最後まで記事を読んで、犬の天疱瘡についての理解を深めましょう。
📍 目次 ▼ 犬の天疱瘡とは |
犬の天疱瘡とは
犬の天疱瘡は自己免疫疾患の一つです。
天疱瘡は犬以外にも人や猫にも発生します。
天疱瘡は、病変のできる部位や症状によって
- 落葉性
- 紅斑性
- 尋常性
- 増殖性
の4つに分類されます。
犬の天疱瘡は落葉性天疱瘡が最も多く発生し、増殖性天疱瘡は稀です。
好発犬種としては
- 秋田犬
- チャウチャウ
- ジャーマンシェパードドッグ
- ミニチュアダックスフント
に発症が多いと言われています。
犬の天疱瘡の症状
犬の天疱瘡は皮膚や口の中の粘膜に
- 水疱
- びらん
- 瘡蓋(かさぶた)
が出来ます。
犬に多い落葉性天疱瘡では主に
- まぶた
- 鼻筋
- 耳
- 肉球や指の間
に炎症や瘡蓋、脱毛などの症状が出ることが特徴です。
進行すると全身に症状が広がってしまいます。
症状が部分的なうちに動物病院に相談しましょう。
犬の天疱瘡は痒みが出ることもありますが、痒みの程度には個体差があります。
痒がっていないからといって、放置してしまわないようにしましょう。
症状が出ている皮膚に細菌感染が起こると、膿皮症を併発することもあります。
犬の天疱瘡の原因は?
犬の天疱瘡は免疫が自分の皮膚を攻撃することが原因で起こる自己免疫疾患です。
表皮の細胞を繋ぎ止めているタンパク質に対する攻撃によって症状が出ます。
細胞を繋ぎ止めるタンパクが攻撃されることで細胞同士が離れて皮膚にトラブルが起こります。
紫外線やアレルギーが引き金になると言われていますが、まだ詳しくはわかっていません。
犬の天疱瘡は夏場に発症が多く、悪化するのも夏場が多い傾向にあります。
紫外線が天疱瘡に関わっている可能性があると言えるでしょう。
犬の天疱瘡の検査と診断
犬の天疱瘡は症状がある部分の皮膚を検査することで診断します。
同じように皮膚に水疱ができる膿皮症と鑑別するために、細菌が感染しているかどうかを調べることが大事です。
天疱瘡は進行していると細菌感染が見られることもあるので、鑑別が難しくなります。
確定診断するには、病変部分を病理検査に出すことが重要です。
犬の天疱瘡の治療
自己免疫疾患であるため、ステロイドや免疫抑制剤を使用して治療を行います。
犬の天疱瘡は一度発症すると長期での治療が必要です。
皮膚の症状の改善が見られれば薬用量を減らしながら内服の調整をしていきます。
長く薬を使うことを不安に思うご家族もいらっしゃるかもしれません。
治療の途中で薬をやめてしまうと、再発してしまうことも多いのでしっかりと獣医師と相談しながら進めましょう。
皮膚に細菌感染がある場合には抗生剤も合わせて使用します。
薬の組み合わせや使い方についても、分からないことがあれば獣医師に相談しましょう。
犬の天疱瘡は予防が可能?
犬の天疱瘡の原因がはっきりとわかっていないため、予防は困難です。
紫外線による悪化が報告されているので、夏場の散歩での強い紫外線を避けた方がいいでしょう。
まとめ
天疱瘡はしっかり治療すれば致死性の高い病気ではありません。
犬の皮膚に瘡蓋や水疱が出てきたら、悪化する前に早めに動物病院にご相談ください。
犬の天疱瘡は一度発症すると治療は長期にわたるため、根気強く動物病院に通院することが必要になります。
途中で治療をやめてしまうと、再発してしまうことが多いので、獣医師とよく話し合って治療を進めていきましょう。
当院は皮膚科診療に力を入れています。
犬の皮膚に気になる症状があれば、ぜひ当院にご相談ください。
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