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トイプードルの皮膚病|痒そう・痛そう・脂っぽい。どんな皮膚病が多い?

2024.10.12

トイプードルの皮膚病|痒そう・痛そう・脂っぽい。どんな皮膚病が多い?

トイプードル

トイプードルは日本で最も人気のある犬種の1つです。
可愛らしいルックスとモコモコな毛が魅力的なトイプードル。
毛の抜けづらさや賢い頭脳を持ち合わせていることから、比較的飼育しやすい犬種と言われています。
犬を初めて飼う方にもおすすめされる犬種です。
しかしトイプードルは皮膚病にかかることも少なくありません。

今回はトイプードルに多い皮膚病について解説していきます。
トイプードルを飼っている方もこれから迎えようとしている方も、トイプードルの皮膚病について知っていただき、日頃のケアにお役立てください。

 📍 目次

 ▼ トイプードルってどんな犬?
 ▼ トイプードルに多い皮膚病
 ▼ トイプードルの皮膚病を悪化させないためには
 ▼ まとめ

 

トイプードルってどんな犬?

トイプードルの起源は不明とされています。
ヨーロッパ原産という説から、ロシアまたは中央アジアが原産であるという説まであります。
プードルという名前はドイツ語で水たまりを意味する「プドル」が由来と言われています。
その名の通り泳ぎが得意な犬種で、鴨狩りをする猟犬として活躍していました。
大型犬サイズのスタンダードプードルが原種で、どんどん小型化され現在のトイプードルが誕生しました。
類まれな賢さと嗅覚の鋭さを持ち、その賢さは全犬種の中でボーダーコリーに次いで第2位であるという研究結果も出ているほどです。
トイプードルの毛は毛周期を持たず、毛が抜けずに伸び続けるという特徴があります。
そのためトリミングが不可欠です。
毛の手入れをせずに放っておくと、毛で視界が遮られたり、毛玉ができてしまいます。

 

トイプードルに多い皮膚病

伏せしているトイプードル

トイプードルがかかりやすい皮膚病は以下の4つです。

  • 犬アトピー性皮膚炎
  • 膿皮症
  • 脂漏症
  • 心因性掻痒症

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎は環境中のアレルゲンによって引き起こされる皮膚炎です。
アレルゲンには花粉やダニなどがあります。
犬アトピー性皮膚炎を発症すると皮膚が赤くなったり、痒がったりします。
皮膚炎を起こす部位は

  • 眼の周り
  • 指の間
  • 足先

などが多いです。
アレルゲンに触れないように生活することは難しいため、炎症や痒みを抑える薬を飲ませることが治療として有効です。
また、日頃のスキンケアも大切です。

膿皮症

膿皮症とは皮膚の細菌が増えすぎてしまうことによって引き起こされる感染性の皮膚病です。
ブドウ球菌という細菌が毛包から侵入し、炎症を起こします。

  • 腹部
  • 腋窩
  • 鼠径部
  • 背部

などに症状がみられることが多いです。
重症になるにつれて範囲は拡がり、脱毛したり潰瘍になってしまうこともあります。

  • 外用薬
  • 抗菌薬
  • 薬用シャンプー

などが治療として有効です。

脂漏症

脂漏症とは毛穴にある脂腺から分泌される皮脂によって引き起こされる皮膚病です。

  • 腋窩
  • 指の間
  • 耳の中

などに発症しやすいです。
皮膚が赤くなり、脂っぽくなり、フケなども目立つようになります。
マラセチアという真菌が増殖していることもあります。
治療としては、余分な皮脂を取り除いて炎症を抑えてあげることが大切です。

  • 脱脂シャンプー
  • 保湿
  • ステロイドの外用薬
  • 抗真菌薬

などが治療として用いられます。

 

心因性掻痒症

心因性掻痒症とは、痒みの有無や強さに関係なく特定の部位を

  • しつこく舐める
  • 毛をむしる
  • 噛む

などの症状が見られる疾患です。
簡単にいうと人間の子供の指しゃぶりのようなものです。
皮膚を舐める、噛むといった症状が必ずしも痒いことを意味するとは限りません。
環境の変化や寂しさなどのストレスが原因となってその行動が引き起こされることがあります。
生まれ持った性格に影響されることが多いです。
賢く繊細なトイプードルに多く見られる疾患であることにも納得がいきますよね。
舐める行動のきっかけとなっている根本の原因を取り除いてあげることが治療として1番有効です。

 

トイプードルの皮膚病を悪化させないためには

白いトイプードル

トイプードルの皮膚病の主な原因は、皮膚のバリア機能の低下です。
バリア機能とは免疫機能とも言い換えることができます。
では、皮膚のバリア機能を維持するためにはどうしたら良いのでしょうか?

  • 洗浄
  • 保湿
  • 腸内細菌叢

などが皮膚のバリア機能を維持するために重要な役割を果たします。

洗浄

表皮に汚れが多くなると、皮膚の状態が悪くなります。
皮膚病にならないためにも、定期的な洗浄で汚れを取り除いてあげることが必要です。
洗浄には汚れを取り除くだけでなく、皮膚にとって悪い成分を取る効果もあります。
例えば脂漏症では、皮膚からコレステロールや遊離脂肪酸が過剰に分泌され、汚れが付着しやすくなります。
洗浄をすることで、このコレステロールや遊離脂肪酸を取り除くことが可能です。

保湿

正常なバリアを作るためには正常な皮膚の代謝が必要です。
そのために十分な水分が必要です。
正常な皮膚には天然の保湿成分があり、潤いを維持しています。
バリア機能が低下した皮膚ではこの保湿成分が保持できなくなるため、保湿剤を添加してあげる必要があります。

腸内細菌叢

免疫と腸内環境には密接な関係があります。
腸内環境は腸内細菌叢によって維持されています。
腸内細菌叢を整えることは免疫機能を高め、皮膚のバリア機能を改善することに繋がります。
プロバイオティクス、プレバイオディクスという言葉をご存知ですか?
プロバイオティクスとは、体にとって有益な生きた微生物を摂取することです。
プレバイオティクスとは、その有益な微生物が利用する栄養素を摂取することです。
腸内の良い菌を増やし悪い菌を減らすことで腸内環境を改善し、免疫機能を高める効果が期待できます。
人間では乳酸菌飲料やビフィズス菌ヨーグルトなどが近年注目されていますね。
犬にもプロバイオティクスやプレバイオティクスの効果が期待されており、サプリメントなども販売されています。
プロバイオティクス、プレバイオティクスのサプリメントを選ぶときのポイントは

  • 安全性
  • 耐熱性
  • 難消化性

などです。
ペット用品は人と比べて安全性基準が曖昧なものもあるため、選ぶときには注意が必要です。
耐熱性や難消化性が優れていると、加工する時や食べた後に有効成分の効果が維持されたまま腸内に届きます。
サプリメントなどを選ぶ際には、このようなポイントに着目してみると良いでしょう。

 

まとめ

二匹のトイプードル

フワフワのカーリーヘアが可愛らしい、大人気のトイプードルですが、皮膚の病気も付き物です。
どのような病気があるのか、どうしたら予防できるのかを知っていることで愛犬との生活がより快適なものになりますよね。

当院では皮膚科診療にも多くの経験がございます。
愛犬の皮膚に関してお困りのことがございましたら、お気軽に当院にご相談ください。

 

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