犬の甲状腺機能低下症で毛が生えなくなる|甲状腺機能低下症の皮膚症状の治療を解説
犬が高齢になってくると様々なトラブルを生じます。
高齢になってきて毛が薄くなってなってしまうこともあるでしょう。
「高齢な犬の毛が薄くなる」それは甲状腺機能低下症かもしれません。
甲状腺機能低下症はホルモンの分泌が低下してしまう病気です。
今回はこの甲状腺機能低下症について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、甲状腺機能低下症について詳しく知っていただけると幸いです。
📍 目次 ▼ 甲状腺って何? |
甲状腺って何?
甲状腺とは喉のあたりに存在する臓器です。
正確には気管にへばりつくように存在しています。
甲状腺は甲状腺ホルモンという全身の代謝を亢進させるホルモンを分泌しています。
甲状腺機能低下症とは
今回ご紹介する甲状腺機能低下症は甲状腺から甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。
自己抗体によって発生するリンパ球性甲状腺炎と原因不明の特発性甲状腺萎縮が原因とされています。
中高齢のレトリーバー犬種やアメリカンコッカースパニエルなどに多いと言われています。
では甲状腺機能低下症になるとどういった症状が出るのでしょうか?
甲状腺機能低下症になると以下のような症状が出ます。
- 元気がなくなる
- すぐに疲れる
- 食べる量が少ないのに太る
- 動きたがらなくなる
- 悲しそうな顔つきになる(悲劇的顔貌)
- むくみ始める
- 皮膚に異常が出る
この中の症状でも、元気がなくなったり、疲れやすくなるという症状は「歳をとったからかな…」と飼い主様から勘違いされることも多いです。
多くの場合は皮膚に異常が出ることで甲状腺機能低下症を疑い、動物病院での診察を受けることになります。
甲状腺機能低下症の皮膚症状
甲状腺機能低下症では以下のような皮膚の症状が出ます。
- 皮膚にしわやたるみが増える(顔まわり、首周囲)
- ふけが多くなる
- シミが増える
- 全体的に左右対称に毛が薄くなる
- 尻尾の毛が薄くなる(ラットテイル)
- 皮膚の免疫力が落ちて他の皮膚疾患を併発する
甲状腺機能低下症では悲劇的顔貌という顔つきになることが有名です。
要は悲しそうな顔つきになるということです。
顔にしわやたるみが増えることで悲劇的顔貌になってしまうのですね。
実はこのしわやたるみは、外見が変わってしまうことだけが問題ではありません。
しわやたるみの間に汚れが蓄積されやすくなり、皮膚が荒れていく原因にもなります。
加えて、甲状腺ホルモンの分泌が低下していると、免疫力が低下するため、しわやたるみの間に蓄積された汚れから、感染症を引き起こすこともあります。
「別の皮膚の感染症かと思ったら実は根底には甲状腺機能低下症があった」
なんていうこともありますね。
甲状腺機能低下症には他にもふけが増えたり全体的に左右対称に毛が薄くなるという特徴があります。
甲状腺ホルモンの分泌が少なくなり皮膚の新陳代謝が悪くなって乾燥肌になったり、毛の成長周期に異常が出ることが原因です。
体全体の毛が薄くなるのですが、その中でも特に毛が薄くなるのが尻尾の毛です。
その見た目がネズミの尻尾に似ていることから「ラットテイル」と呼ばれています。
甲状腺機能低下症の治療
残念ながら甲状腺機能低下症が完治することはありません。
分泌されることが低下した甲状腺ホルモンを外部から補充し続ける必要があります。
甲状腺ホルモンは内服の薬によって補充することができます。
薬を飲むことによって、甲状腺機能低下症の症状が緩和され、薄くなっていた毛が生えてきたり、繰り返していた皮膚病が治ることもあります。
生涯薬を飲み続ける必要はありますが、薬を飲んでいれば正常な甲状腺機能の犬と同じ生活を送れることが多いです。
まとめ
甲状腺機能低下症は予防方法のない病気です。
高齢になり発症してしまうこともあるでしょう。
しかし甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの薬を飲むことで症状が緩和できる病気です。
甲状腺機能低下症の犬を飼われている方は諦めずに治療を続けていきましょう。
当院は甲状腺機能低下症による皮膚症状の治療にも強い皮膚科のある動物病院です。
もし甲状腺機能低下症でお悩みの方はいつでもお問い合わせください。
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