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猫の口腔内扁平上皮癌ってどんな病気?|症状や治療について解説

2024.08.27

猫の口腔内扁平上皮癌ってどんな病気?|症状や治療について解説

 

猫の口の中には腫瘍ができることがあり、その中でも最も発生が多いものが扁平上皮癌です。
猫は口の中をなかなか見せてくれない動物なので、動物病院での健康診断で偶然発見されることもあります。
猫の口腔内扁平上皮癌は非常に悪性度が高い腫瘍です。

「猫の扁平上皮癌に原因はあるの?」
「口の中に扁平上皮癌ができた時の症状は?」
「口の中に扁平上皮癌ができたら、どれくらい生きられるの?」
このような疑問や心配事もあるかと思います。

今回は猫の口にできる扁平上皮癌について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、猫の扁平上皮癌について理解を深めましょう。

 

 📍 目次

 ▼ 扁平上皮癌とは
 ▼ 猫の口腔内扁平上皮癌について
 ▼ まとめ

扁平上皮癌とは

扁平上皮癌は、扁平上皮細胞ががん化して発生する悪性腫瘍です。
扁平上皮癌は皮膚や粘膜の表層を形成する扁平上皮から発生し、口腔、舌、食道、肺などさまざま部位に発生します。
猫では口の中や皮膚にできることが多いです。

 

猫の口腔内扁平上皮癌について

キャリーケースの中でチュールをもらう猫

猫の口腔内扁平上皮癌は猫の口にできる腫瘍の中で最も多く見られます。
扁平上皮癌は転移することは少ないですが、周囲の骨などの組織に広がりやすいです。
猫の口腔内扁平上皮癌は以下の2つのタイプに分けられます。

  • 粘膜型
    歯肉、舌、口唇などの粘膜から発生し、潰瘍を形成することが多いです。
  • 骨浸潤型
    下顎の骨自体が腫れることが多いです。

猫の扁平上皮癌はおもに高齢の猫で発症します。
扁平上皮癌は進行が早いため、少しでも異変を感じたら動物病院を受診しましょう。

猫の口腔内扁平上皮癌の原因

猫の口腔内扁平上皮癌の正確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関連していると考えられています。

  • ノミ取り首輪
  • 缶詰食の摂取
  • 受動喫煙
  • パピローマウイルスへの暴露
  • 歯周病や口内炎

扁平上皮癌の発症リスクを軽減するためには、これらの要因に気をつけることが大切です。
歯周病などの慢性的な炎症が扁平上皮癌の原因になると言われているので、日頃からのデンタルケアも重要ですね。

口腔内扁平上皮癌の症状

猫の口腔内扁平上皮癌の症状は、腫瘍の大きさや位置によって異なりますが、一般的に以下のような兆候が見られます。

  • よだれの増加
  • 口臭の悪化
  • 食欲が落ちる
  • 食べ物を飲み込めなくなる
  • 口からの出血
  • 顔の腫れ

初期段階では、口の粘膜が赤みを帯びるだけで、口内炎や歯周病との区別が難しいこともあります。
腫瘍が顎の骨に浸潤すると、顔の形が変化したり、骨折を引き起こすこともあります。
これらの症状は徐々に進行し、猫の生活の質を著しく低下させる可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。

扁平上皮癌の猫

口の中にできる扁平上皮癌の検査

猫の口腔内扁平上皮癌の診断には、複数の検査方法が用いられます。
これらの検査は、腫瘍の存在を確認し、その範囲や進行度を評価するために重要です。
主な検査方法は以下の通りです。

  • 視診と触診
    口腔内を直接観察し、異常な腫れや変色を確認します。
  • 細胞診
    病変部位から細胞を採取し、顕微鏡で観察します。
  • 組織生検
    腫瘍の一部を切除して病理検査を行い、確定診断を得ます。
  • レントゲン検査
    骨への浸潤や破壊の程度を評価します。
  • CT・MRI検査
    腫瘍の大きさや周囲組織への浸潤を詳細に評価します。

これらの検査には全身麻酔が必要な場合があり、獣医師と相談の上で適切な検査方法を選択することが重要です。

猫の口腔内扁平上皮癌の治療

猫の口腔内扁平上皮癌の治療にはさまざまなアプローチがあり、早期発見と適切な治療が予後改善の鍵となります。

おもな治療法は以下の通りです。

  • 外科手術
    腫瘍の完全切除が最も望ましい治療法です。腫瘍の完全切除が可能な場合は長期生存が期待できるとされています。
  • 放射線療法
    単独または手術後の補助療法として行われます。
  • 化学療法
    おもに補助療法として使用されますが、単独での効果は限定的です。
  • 緩和ケア
    扁平上皮癌が口にできた場合は痛みが生じ、食欲不振を起こすため、痛みの管理や栄養サポートも大切です。猫の生活の質を維持する目的があります。

猫の扁平上皮癌の治療法の選択は、腫瘍の大きさ、位置、進行度、猫の全身状態などを考慮して決定されます。
早期発見・早期治療が最も重要であり、定期的な口腔内チェックが推奨されます。
それぞれの治療にはメリット・デメリットがあるので、獣医師と相談して最善の治療を選択しましょう。

 

まとめ

猫の口腔内扁平上皮癌は初期段階では口内炎と見た目が似ていることもあり、発見が難しいかもしれません。
扁平上皮癌は早期発見、早期治療で予後の改善が期待できます。
日頃から口を見たり、体を触るなどの猫とのスキンシップが大切です。
扁平上皮癌は歯周病や口内炎が原因になることもあるので、デンタルケアを取り入れることも重要ですね。

当院では口腔内疾患の治療やデンタルケアに積極的に取り組んでいます。
猫の口の異常を見つけたらぜひ当院までご相談ください。

 

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