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犬の歯石を取るには麻酔が必要?|無麻酔での歯石除去の危険性を解説

2024.08.25

犬の歯石を取るには麻酔が必要?|無麻酔での歯石除去の危険性を解説

 

「歯磨きをしているのに犬の歯石が取れない」
「犬の歯石が気になるけど、歯石を取る方法はないの?」
「犬の歯石除去をするには全身麻酔が必要と言われたけど、本当なの?」
このようなお悩みを持つ犬の飼い主様はいるのではないでしょうか?

犬の歯石を放置すると歯周病を発症し、健康に悪影響を与えます。犬の歯石除去は一般的に全身麻酔下で実施します。麻酔をかけずに歯石が取れるなら犬の負担が少ないと思う方も多いでしょう。しかし、犬の無麻酔での歯石除去にはさまざまなリスクがあります。

今回は無麻酔での歯石除去の危険性や、全身麻酔下で歯石除去を行う理由を詳しく解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、犬のお口の健康管理にお役立てください。

 

 📍 目次

 ▼ 犬の歯石とは?
 ▼ 犬の歯石除去の方法
 ▼ まとめ

犬の歯石とは?

おやつを噛んでいるトイプードル

犬の歯石は、歯の表面に付着した歯垢が石灰化して硬くなったものです。
歯垢は、食べかすや唾液中の細菌が集まって形成され、これが唾液中のミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)と結びついて石灰化することで歯石になります。

歯石を放置するとどうなるの?

歯石は見た目の問題だけではありません。
歯石を放置すると、歯周病が進行し、最悪の場合、歯が抜けてしまいます。歯石の表面はザラザラしており、さらなる歯垢の蓄積を招き、口腔内の衛生状態を悪化させます。
歯周病菌が繁殖しやすい環境が作られ、炎症が歯茎から顎の骨にまで広がり、骨が折れることもあるので要注意です。
歯周病菌が血流に乗って全身を巡ることで、血管や臓器にダメージを与える可能性もありますね。

 

犬の歯石除去の方法

犬は歯磨きで歯石を除去することができません。歯石は非常に硬く、家庭でのケアでは取り除くことが難しいため、動物病院での専門的な処置が必要です。

動物病院では超音波スケーラーという専用の機械を用いて、歯石除去を行います。

犬の無麻酔での歯石除去とは?

最近では無麻酔で犬の歯石除去が行われることがあります。
「無麻酔で歯石が取れるなら気軽にできるし、犬に負担がなくていいかも」
このように考える方も多いと思います。
しかし、犬の無麻酔歯石除去にはさまざまな危険があるので注意が必要です。

無麻酔での歯石除去のリスク

犬の無麻酔での歯石除去には以下のようなリスクがあります。

  • 歯石を完全に取りきれないリスク
    無麻酔の歯石除去では歯周ポケット内の歯石を完全に除去することが難しいです。
    歯石を完全に取りきれないと歯周病が進行する可能性があります。
  • 怪我をするリスク
    歯石除去に使用される器具は先が尖っており、使用時には細心の注意が必要です。無麻酔の場合は犬が動くことで誤って器具が歯肉や歯、さらには眼などを傷つけるリスクがあります。
  • 顎を骨折するリスク
    歯周病によりもろくなった顎の骨が無麻酔での処置によって折れることがあります。
    高齢犬や歯周病が進行している犬では要注意です。

これらのリスク以外にも、無麻酔での歯石除去による痛みや恐怖が原因で、犬がデンタルケアを嫌がるようになることがあります。
心理的なトラウマにより、将来的なデンタルケアが困難になるでしょう。

犬の歯石除去を全身麻酔下でやるべき理由

薬を吸っている医師

犬の歯石除去は全身麻酔下で行うことが推奨されます。
歯石除去を全身麻酔下で行う代表的な理由は以下の通りです。

  • 動かない状態を確保するため
    犬は通常、口を開けたままじっとしていることが難しいため、歯石除去を安全かつ効果的に行うには全身麻酔が必要です。
    麻酔をかけることで、犬が動かない状態を確保し、処置中の事故や怪我のリスクを減らします。
  • 細部までの処置を可能するため
    麻酔下では、歯の裏側や歯周ポケットの奥深くまでアプローチが可能です。歯石を完全に除去し、歯周病の進行を防ぐことができます
    無麻酔では、これらの部分の処置が困難であり、見た目だけの改善にとどまることが多いです。
  • 痛みやストレスの軽減のため
    歯石除去は犬にとって痛みを伴い、無麻酔で行うと犬が暴れることがあります。麻酔を使用することで、犬に痛みやストレスを与えることなく処置を行うことができます。

全身麻酔下で行うことで、安全かつ確実に歯石除去ができますね。

高齢犬でも麻酔をかけての歯石除去はできるの?

高齢の犬でも全身麻酔下での歯石除去は可能です。
ただし、高齢犬の麻酔には特別な配慮が必要です。年齢とともに臓器機能が低下し、麻酔薬の代謝や排泄に影響を与える可能性があるため、リスクが高まります。
高齢犬は持病を抱えていることが多く、麻酔によって病状が悪化するリスクもあります。
しかし、適切な術前検査と麻酔管理を行うことで、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。
血液検査やレントゲン、エコー検査などを実施し、個々の犬の状態に合わせた麻酔計画を立てます。
麻酔中は心臓機能や呼吸機能を慎重にモニタリングし、必要に応じて麻酔の調整を行います。
事前のリスク評価と適切な麻酔管理を行うことで、高齢の犬でも安全に歯石除去ができますね。

 

まとめ

犬の歯石除去において、麻酔下での処置が一般的に推奨されています。
これは、犬の苦痛を軽減し、より安全で効果的な歯科治療を可能にするためです。
無麻酔での歯石除去は、犬にストレスを与え、口腔内を傷つけるリスクがあり、歯周ポケットの清掃が不十分になる可能性があります。
麻酔にはリスクも伴うため、事前に体の健康状態を把握し、麻酔の計画を立てることが重要です。

当院では歯科治療やデンタルケアの指導に積極的に取り組んでいます。
犬のお口のトラブルにお困りの際はいつでもご相談ください。

 

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