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猫の口臭が気になる!|猫の口臭の原因について

2024.08.23

猫の口臭が気になる!|猫の口臭の原因について

 

「うちの猫、最近口が臭う…」

可愛い愛猫と触れ合っているときに気になったことはありませんか?

  • 一時的に臭うだけでなく日に日に匂いが強くなっている
  • 家族以外と猫を会わせたときに指摘された
  • 他に飼っている猫や今までに飼っていた猫と匂いが違う気がする

というご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は猫の口臭について考えられる原因を中心にご説明します。
猫の口臭の原因について詳しくなって、病気の見逃しを防ぎましょう。

あくびしている猫の横顔

 

 📍 目次

 ▼ 猫の口臭の原因
 ▼ 猫の口臭への対応
 ▼ 猫の口臭を悪化させないために
 ▼ まとめ

猫の口臭の原因

猫の口臭に変化があったとき、何が原因として考えられるでしょうか。
大切な家族の変化があると、何か病気のサインじゃないかと心配ですよね。
猫の口臭が気になる場合の代表的な原因について解説します。

食べ物

病的でない場合でも、口が臭うことがあります。
ウェットフードやふやかしたフードは特に、口腔内に残りやすいです。
口腔内に食べ物が長く残ってしまうと、臭いを発生させます。
また、食べ物自体にフードに魚の風味がついていたりすると食後に猫の口が生臭く感じます。
食べ物が原因の場合は、食後しばらくすると臭いがなくなることが多いです。

乾燥

口の乾燥も臭いの原因になります。
人間でも、口が渇いていると臭いが気になることはありますよね。
猫の場合は、水を飲む量がもともと少なかったり、病気で脱水になったりすると、口が乾燥します。
口が乾いていると、臭いだけでなく唾液による殺菌作用が得られず、歯周病の原因にもなるので、積極的に水を飲ませる工夫が必要です。
口の中を見た時に、テカテカと艶があれば問題ありませんが、艶がない場合は口が乾いている可能性があります。

口の病気

病的な口臭の場合で、1番多いのが口の中の病気です。猫は口を触られるのを嫌がる子が多いので、猫の口の中をしっかりと見たことがある人は少ないでしょう。 

猫の口の病気には、どんなものがあるのでしょうか。

歯周病

人と同じように、猫も歯周病になることがあります。
歯周病とは、歯の根元に細菌の塊である歯石がついて、炎症を起こす病気です。
歯周病の場合、歯石自体が悪臭を発するため、重症になるほど臭いは悪化します
猫では特に、口を触られるのを嫌がりデンタルケアがしづらいため、歯周病になりやすく、高齢の猫では非常に多い病気です。

症状は口臭だけでなく、歯が抜けたり、痛みが出ることがあります。

歯肉炎

歯肉炎とは、歯周病が歯自体とその周囲の組織の病気であるのに対し、口の粘膜の病気です。
猫では、ウイルスの病気に感染した際の症状の1つとしても有名です。
見た目は、人のように丸い小さな炎症ではなく、赤く苺ゼリーのように歯肉がただれます。
歯肉炎はどんな年齢の猫でも起こり得るため、若齢の猫の口臭の原因としては最も疑わしい病気です。
口臭以外の症状には、非常に強い痛みがあり、口を気にする仕草をしたり涎を流すようになったりします。

口腔内腫瘍

高齢の猫の場合は、口に腫瘍ができることがあります。
口の粘膜や舌にできる腫瘍は悪性のことも多いです。良性でも進行度のスピードが早く、大きくなることがあります。
腫瘍が壊死、潰瘍を起こしたり、腫瘍を誤って噛んでしまうことによる外傷から感染症にかかったりすると口臭の原因となります。
口の中に腫瘍を見つけた場合は早期の受診が必要です。

内臓の病気

口の中に明らかに異常がないのに、口臭がひどいというときは、体の別の場所に異常がある可能性があります。

猫の口臭の原因になり得る、代表的な病気についてご説明します。

腎臓病

猫の腎臓病では、口臭が一般的な症状のひとつです。腎臓は、健康な体を維持するために様々な機能を担っています。
そのうちの一つが、毒素を尿として体外に排出するという機能です。腎臓病でその機能が低下すると、血液中に毒素が溜まり、尿毒症という状態になります。
尿毒症になると、口臭が毒素の臭いであるアンモニアのような刺激臭になります。
腎臓病で、口臭の原因となる症状のもう一つは脱水です。腎臓の重要な機能に、体液の量を調整する機能があり、腎臓病になってその機能が低下すると、たくさん水を飲んでもどんどん尿として出ていってしまう状態になります。
脱水すると、口の中が乾燥するため、口臭の原因の一つとなります。

肝臓病

肝臓は、体の中の毒素を分解するのに非常に重要な役割を担っています。
肝臓の機能が低下すると、体内に毒素が溜まるようになります。そのため、肝臓病の口臭もアンモニアのような刺激臭です。
猫で多い肝臓病には、胆管肝炎などの炎症や、肝リピドーシスなどのエネルギー障害があります。猫の肝臓病は、命に関わることもあるため、早期発見が重要です。

糖尿病

高齢の猫では、糖尿病にかかる猫も多いです。
糖尿病でも症状の一つとして口臭が挙げられます。
糖尿病の原因は、膵臓のインスリンという血液中の糖分を分解するホルモンの異常です。血液中の糖分をエネルギーとして利用できなくなります。
糖の代わりに脂肪をエネルギー源として利用するため、脂肪を分解した時に発生するケトン体という物質が体に溜まります。
ケトン体という物質には独特の匂いがあるため、糖尿病の口臭は甘酸っぱいような臭いです。

便秘や腸閉塞

口と消化管である腸は繋がっています。
便秘や腸閉塞で腸の中に便が溜まることで、口臭が便のような臭いになることがあります。
便秘の原因は、加齢やストレスなど様々です。発症した場合、病院で摘便したり、薬で便を柔らかくします。

腸閉塞は、おもちゃなどの異物を食べてしまって発症することが多いです。
腸閉塞は緊急性が高く、放置していると腸が壊死してしまうこともあるため、手術で詰まっている異物を摘出します。

寝ている猫

 

猫の口臭への対応

猫の口臭が気になった時、ご家族はどうすべきなのでしょうか。

ここまで、猫の口臭の原因についてご説明しました。
早急な治療が必要になる病気の可能性もあるため、動物病院に連れて行くことが勧められることはご理解いただけたと思います。

ここでは、動物病院に連れて行った場合、どのような検査をするのか、ご説明します。

口の病気

獣医師が見たり触ったりして、腫瘍や歯周病が疑われる場合は、レントゲン検査を実施します。
レントゲン検査の目的は、歯自体やそれを支える骨が溶けていないか、腫瘍がどの範囲まで広がっているかなど、大まかに判断することです。

しっかり口腔内を見るために、麻酔をかける場合もあります。猫は、口の中を見せるのを嫌がることが多いです。口の奥まで詳細に見たり、腫瘍の細胞を調べる検査のために麻酔をかけることで、猫のストレスを最小限に減らし、安全に検査を進めることができます。

内臓の病気

診察で、口臭以外の症状や猫の状態から内臓の病気が疑われる場合、推奨される検査は疑わしい病気により異なります。
腎臓病や糖尿病が疑われる場合は血液検査や尿検査、便秘や腸閉塞が疑われる場合はレントゲン検査やエコー検査など、猫の状態に応じて、検査を組み合わせて診断します。

 

猫の口臭を悪化させないために

猫の口臭が気になるとき、まずは動物病院に行って原因を調べることが1番大切です。
病気でなければ、歯磨きや食事を変更するだけで臭いがなくなるかもしれません。
口の病気の場合は、放っておくと痛みがどんどんひどくなり痩せてしまったり、腫瘍が全身に広がってしまったりして、命に関わることもあります。普段から口の中を見るようにして、小さな変化に早く気がつくことで、治療の成功率が上がります。
内臓の病気の場合は、じわじわと進行することが多いですが、急に悪化することもあります。口臭以外に気になることがなくても、定期健診を行い、早期発見を目指しましょう。

あくびをしている猫

 

まとめ

猫の口臭は体の健康を知るためにとても重要です。口臭がいつもと違う、最近臭うなど、猫の体が出すサインに気づいたら、いつも通りに見えても、実は歯周病で食事のたびに痛みを感じていたということがあるかもしれません。
猫の歯の健康のため、より良い生活のためにこまめに猫の口の臭いをチェックして、異常を感じたらぜひ当院へご相談ください。

 

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