犬の歯周病は塗り薬で治せるのか？｜犬の歯周病で処方されることがある塗り薬を解説

口の中を触られる犬

動物病院で歯周病の診察を受けると口の中に使う塗り薬を処方されることがあります。
しかし、その薬にどのような効果があるのか知っている人は少ないです。
中には間違った使用方法から逆効果になってしまうこともあります。

今回はその塗り薬について詳しく解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、口の中に使う塗り薬について知っていただけると幸いです。

📍 目次

▼ 犬の歯周病とは
▼ 歯周病に対する塗り薬
▼ 歯周病に対して塗り薬は効果があるのか
▼ まとめ

犬の歯周病とは

犬の歯周病は歯垢の中に存在する歯周病原菌によって、歯の周りの組織が破壊されてしまう病気です。
歯周病になると

歯肉の後退
歯を支えている骨（歯槽骨）が溶ける
歯がぐらつく
歯の炎症によって痛みが出る

などの症状が出ます。
いかにこういった症状が出る前に歯磨きで歯垢を除去するかが大事ですね。

歯周病に対する塗り薬

塗り薬

動物病院ではこれらの症状に対して口の中に使う塗り薬が処方されることがあります。
ここではそれぞれの薬について解説していきます。

消毒薬

歯周病は歯垢の中に存在する歯周病原菌によって引き起こされます。
消毒薬を使うことで歯周病原菌を倒すことができます。
しかし、消毒薬を使えば病原菌を全て除去することができるのかと言われると、そうではありません。
歯と歯肉の間の歯周ポケットには物理的に消毒薬は届きませんし、歯石に強固に付着した歯周病原菌に対しては効きません。
消毒薬は歯周病原菌に対して効果のある薬ですが、過度な期待はできないということですね。

抗炎症薬

歯周病になると歯肉に炎症を生じ、痛みが出ることがあります。
抗炎症薬はその炎症を鎮めるために使われます。
症状を緩和させる目的に使われる薬ということですね。
しかし、抗炎症薬の成分は多くの場合ステロイドです。
ステロイドは炎症を鎮める効果がある反面、免疫力を低下させる効果があります。
歯周病は歯垢の中に存在する歯周病原菌によって発症する病気なので、免疫力が低下すると悪化することがあります。
あくまで症状緩和目的で使用し、短期間での使用を心がけましょう。

歯周病に対して塗り薬は効果があるのか

ここまで解説したように歯周病に対して使われる塗り薬は、効果が不十分であったり、悪化の要因になることもあるので、過度な期待はできません。
原因となっている歯垢の歯周病原菌は残り続けてしまいます。

では、歯周病になってしまったときにはどのような対応をしたらいいのでしょうか？
ここでは歯周病の時の対応方法について解説していきます。

歯科処置を行う

歯周病の時は歯科処置を行うことが最適な方法です。
消毒薬の塗り薬では治療困難だった歯周ポケットの処置や歯石の除去も行うことができます。
また、治療不可能な歯は抜歯することもできます。
歯周病に対する歯科処置は唯一の根本治療といえますね。

デンタルケアを行う

歯科処置の有無に限らず、歯周病の予防に歯磨きなどのデンタルケアは必須です。
歯石に変わる前に歯垢を除去するために、食事をしたらすぐに歯磨きなどのデンタルケアをすることが望ましいです。
犬は一般的に歯磨きを嫌がる傾向にあります。
子犬の頃から歯磨きに慣れさせ、将来の歯周病を予防していきましょう。
どうしても歯磨きが難しい場合は、動物病院に相談し、対策を考えましょう。