犬の家族性皮膚筋炎とは|シェルティやコリーに好発する家族性皮膚筋炎について解説
シェットランド・シープドッグ(愛称:シェルティ)とコリーに好発する皮膚病で家族性皮膚筋炎という病気があります。
シェルティやコリーを飼われているご家族の中には
「家族性皮膚筋炎ってどんな病気?」
「家族性ってことは犬の兄弟も発症するの?」
「家族性皮膚筋炎って命に関わる?」
といった疑問や心配事を持たれている方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は家族性皮膚筋炎について詳しくご説明します。
ぜひ最後までお読みいただき、家族性皮膚筋炎についての理解を深めましょう。
📍 目次 ▼ 家族性皮膚筋炎とは |
家族性皮膚筋炎とは
家族性皮膚筋炎とは皮膚や筋肉、血管に炎症が生じて、皮膚病を起こしたり、全身に力が入らなくなったりする病気です。
この病気の原因は、本来自分の体を守るはずの免疫システムが異常を起こして、自分の体を攻撃してしまう免疫介在性疾患が考えられています。
また家族性皮膚筋炎は親から子へ常染色体優性遺伝します。
常染色体優性遺伝とは、両親のうちどちらか一方が家族性皮膚筋炎になる遺伝子を持っている場合、50%の確率で子供に遺伝するということです。
つまり、家族性皮膚筋炎を発症した犬の兄弟姉妹も、発症する可能性があるということになります。
好発犬種はシェットランド・シープドッグやコリー、それらのミックスですが、他の犬種でも発症することがあります。
発症年齢は6ヵ月未満とされています。多くの皮膚炎が6ヶ月以上で発症するため、このように若くして発症することは家族性皮膚筋炎の一つの特徴といえますね。
家族性皮膚筋炎の症状
家族性皮膚筋炎の症状は大きく分けて皮膚と筋肉に対する症状がみられます。
主に発生するのは皮膚病変です。
筋肉の症状は認めないことが多いとされています。
皮膚の症状として
- 赤くなる
- 毛が抜ける
- えぐれる
- 水疱ができる
- 色素が抜ける
- かさぶたができてポロポロ落ちる
などが挙げられます。
皮膚の病変は、特に目の周りの顔面や四肢、肉球や、尻尾に生じます。
筋肉の症状として
- 食べ物を飲み込めない
- 体に力が入らない
- 歩き方がおかしい
- 筋肉が痩せてくる
などが挙げられます。
筋肉が障害を受けることで、体を動かす骨格筋のほかに、筋肉でできている内臓も影響を受けます。
例えば、食道を動かす筋肉が障害を受けて巨大食道症となり食道が機能しなくなったり、心臓を動かす心筋という組織が障害をうけ循環障害を生じたりします。
家族性皮膚筋炎の検査
家族性皮膚筋炎には、皮膚の感染症や他の免疫介在性疾患など症状が似ている病気がいくつかあります。
そのためそれらの病気を除外するために、獣医師が下記の検査を組み合わせて診断を行います。
家族性皮膚筋炎の主な検査には
- 身体検査
- 血液検査
- 皮膚検査
- 病理検査
- 筋電図
などが挙げられます。
複数の検査を組み合わせないと、正確な診断や、病気がどのくらい進行しているか、他の病気を除外できるかが判断できません。
家族性皮膚筋炎の治療
家族性皮膚筋炎の治療は、進行具合によって治療が異なります。
また、家族性皮膚筋炎によって二次的に生じた皮膚や筋肉の症状に対する治療も必要になります。
以下は家族性皮膚筋炎の治療です。
家族性皮膚筋炎の治療には
- ビタミンE
- ビタミンB3
- 脂肪酸サプリメント
- 血管拡張薬
- 免疫抑制剤
などが挙げられます。
犬の状態から最善な治療を考えることが重要です。
また日光に当たることや皮膚の外傷がこの病気の悪化要因になることがあります。
日光への露出を控えること、皮膚を保護することは病気の悪化を予防する上で大切になりますね。
家族性皮膚筋炎は完治するの?
家族性皮膚炎は軽症で自然治癒する犬もいれば、残念ながら進行性で管理することが難しい場合や命に関わるほど重篤な症状がある犬もいます。
その上家族性皮膚筋炎は、親から子へ受け継いでしまう遺伝病です。
犬が家族性皮膚筋炎になった時には繁殖を避けるなどして、犬にとってつらい病気を子孫に残さないようにすることが大切ですね。
まとめ
家族性皮膚筋炎は皮膚と筋肉を侵す病気です。
軽症ですむことが多い病気ですが、命に関わることもあります。正しい診断と繁殖予防が、辛い病気を子孫に繋げない上で大切になりますね。
家族性皮膚炎は、時に他の皮膚疾患と区別することが難しい場合があります。
当院は皮膚科診療に力を入れています。
もしなかなか治らなかったり繰り返す皮膚病がおありでしたら、ぜひ当院にご相談ください。
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