アレルギー科診察allergy

皮膚科診察の中で一番多い皮膚病は『アレルギー性皮膚炎』となります。

アレルギー性皮膚炎は、かゆみが非常に強く生じる上、他の感染症(細菌やマラセチア)が併せて起こりやすく、重篤化しやすいのが特徴です。皮膚検査では、細菌やマラセチアを見つける事は出来ても、アレルギーを見つける事は出来ません。

そのため、アレルギー性疾患の診断および治療補助を目的としてアレルギー検査を実施することがあります。

アレルギー検査に関してご理解いただきたいことは

  1. 診断に必須の検査ではなく、実施しなくても十分に診断可能です
  2. 血液検査だけではない

という2点です。

  1. アレルギー検査の精度は100%ではありません。また、調べられるアレルギーの種類やアレルゲンも限られています。もちろん実施することで得られる情報が多いことも事実ですが、実施しなくてもアレルギーのタイプや原因を判別することは十分に可能です。
  2. 日本国内では血液を利用したアレルギー検査(IgE値の測定やリンパ球刺激試験)が汎用されますが、そのほかにも有用なアレルギー検査があります。実際に皮膚でアレルギー反応を確認する検査があります。その代表としては、皮内試験やパッチテストがあります。皮内試験は即時型のアレルギーを、パッチテストでは遅延型のアレルギーを検査するもので、病院内で行います。そのほか、食事があっているか?食べられる食材やフードはなにかを調べるために、病院で半日お預かりして少しずつ負荷していく試験もあります。もしも症状が出てしまった場合でも病院内で速やかに対応するので安心です。

私たちは皮膚を丁寧に診る事に加え、皮膚検査、飼主様へのヒアリングを行うため、診察時間を長めにとっております。気になる事や心配な事はどんなに些細な事でも構いませんので、是非お気軽にお尋ねください。

今回は、アレルギー性皮膚炎の中でも最も多い『アトピー性皮膚炎と食物アレルギー』について紹介します。

  • パッチテスト
  •  

アトピー性皮膚炎について

まんが: アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎のワンちゃんでは、皮膚のバリア機能が低下しており、かゆみが生じやすく、感染症にかかりやすくなっています。

症状は、手足や耳などの痒みと皮膚の炎症(赤み)が中心です。見ていて可哀想になってしまう方も多いのではないでしょうか。

アトピー性皮膚炎は治る病気ではないからこそ、上手な付き合い方を見つける事が重要です。ワンちゃんの性格や飼主様のライフスタイルや考え方に合わせた治療のご提案が出来るので、是非お気軽にお尋ね下さい。

アレルギー性皮膚炎が改善したワンちゃん

Before

After

食物アレルギーについて

まんが: 食物アレルギーについて

食事が原因でアレルギーが起こるものを食物アレルギーと言います。原因となる食材を食べるとアレルギー反応が起こり、皮膚や耳が痒くなる事や、吐き気や下痢が出る事があります。(症状は個々によって様々です。)

食物アレルギーの場合、アレルギー用のフードをずっと食べなければいけない、ということはありません。原因となる食材を見つけていく事で、アレルギー用以外のフードも食べられるようになることも少なくありません。アレルギー用フードは、食物アレルギーを診断するために活用すべきフードとも言えます。

このような点から、アレルギー用フードの選択や継続の可否に関して、獣医師と相談しながら調整することが安心です。はじめて診察する際には、今まで食べていた食事やおやつの成分について詳しくお聞きさせて頂きます。診察に大いに役立つため、分かる範囲で調べて頂ければ幸いです。(分からなくても診察可能なので、ご心配なさらないで下さいね。)