予防・避妊/去勢手術preventive care

狂犬病ワクチン

狂犬病は犬や人を含む全ての哺乳類に感染する病気で、発症すると死亡率はほぼ100%、治療法もない恐ろしい感染症です。
日本国内では現在発生はありませんが、万が一発生した場合でも国内蔓延を阻止することができるよう、集団免疫率を維持するためにワクチン接種は法律で義務付けられています。まだまだ世界的には蔓延している病気なので、皆さん必ずワクチン接種を行いましょう。

混合ワクチン

犬や猫には、感染すると命に関わるものや、一度感染すると治癒が難しいものなど様々な病気が存在します。そのような感染症を予防したり、仮に発症したとしても症状が軽くなるような免疫力をつけたりするのが混合ワクチンです。
混合ワクチンは犬では5種や8種、猫では3種や5種など、予防できる病気の数が異なるものが数種類存在するので、体質やライフスタイルなどに合わせて選んでいただきます。

フィラリア予防

フィラリアは蚊を媒介にして感染する寄生虫です。
フィラリアは血管内や心臓に寄生し、咳や腹水などの症状を示し、亡くなってしまうこともあります。フィラリアの予防薬は蚊の発生する時期に合わせて月1回内服します。この地域では5月末から11月末までの予防を推奨しています。
大切なのは『フィラリアは薬で必ず予防できる』ということです。蚊が出ないからと予防を行わなかったり、途中でやめてしまうような不十分な予防は避けましょう。

ノミ・ダニ予防

ノミ・ダニ(特にマダニ)は犬や猫の皮膚に寄生、吸血し、皮膚病などの原因になります。また、虫自体の吸血だけが問題になるだけでなく、これらの虫は瓜実条虫やバベシアなどの寄生虫を媒介することが知られています。

予防薬は首に垂らすスポットオンタイプや、おやつのような内服のものなど様々なタイプのものがあるため、ぜひライフスタイルに合ったものを選んでしっかり予防してあげてください。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)について

近年発見された病気であり、主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。犬や猫でも感染が確認されている事に加え、犬や猫からヒトへ感染する事が知られています。

ヒトでは、発熱や黄疸、血小板が減少し、出血しやすくなるなどの症状を示し、致死率が 10%と比較的高く怖い病気です。愛犬愛猫だけでなく、ご自身を含めた家族の安全を守るためにも年間通したマダニの予防を強く推奨しております。

参考ページ: 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について(厚生労働省)

去勢・避妊手術

「避妊・去勢手術ってやらなきゃいけないの?」
一般的に勧められてはいるけどいったいどんな手術なの?本当にやったほうがいいの?と疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらではそんな疑問にお答えしていきたいと思います。

去勢・避妊手術ってどんな手術?

去勢手術( 避妊手術(
手術内容 精巣を摘出 卵巣(+子宮)を摘出
傷口 犬:包皮に約3〜4cm
猫:陰嚢に約1cm
臍付近に約3〜10cm
(体格などにより差が大きい)
入院日数 日帰り 日帰り〜1泊

手術のメリット

  • 生殖器系などの病気の予防(子宮蓄膿症、乳腺腫瘍、前立腺疾患etc)
  • 望まない妊娠の予防
  • 発情に伴う行動変化やストレスが抑えられる
  • マーキングやマウンティングなどの行動が減る可能性がある

手術のデメリット

  • 子どもを産めなくなる
  • ホルモンバランスが変わることで、性格が変わったり太りやすくなったりすることがある
  • 薬剤に対するアレルギーなどを生じる可能性がある
  • 全身麻酔が必要になる
それぞれメリットとデメリットを挙げましたが、私たちとしてはメリットの方が遥かに大きいと考えます。
手術はおおよそ生後半年から受けられ、乳腺腫瘍のように手術が早ければ早いほど予防効果が大きい病気もあるため、ぜひ早めの手術を考えてあげてください。