耳科otolaryngology

皆さんの愛犬でこんなトラブルありませんか?

  • 耳を頻繁にかいている
  • 耳の中が赤く腫れている
  • 耳から悪臭のする分泌物が出ている
  • 耳を触られるのを嫌がる
  • 頭を傾けている
  • 耳の周りの毛が抜けている

愛犬にこのような症状が見られる場合は耳のトラブルのサインかもしれません。
耳のトラブルは、犬にとって非常に多く見られる病気の一つです。
耳の症状は気づきにくいこともありますが、悪化すると激しい痛みやかゆみを伴い、犬の生活の質を低下させてしまう可能性があります。
また放置すると治療が困難になったり、慢性化してしまうケースも少なくありません。
愛犬の耳の健康を守るためにも早期発見と適切な治療が大切です。

耳科の診断・検査について

耳鏡検査

耳鏡検査は耳の内部の構造を直接観察する基本的な検査です。
専用の耳鏡を用いて外耳道や鼓膜の状態を詳しくチェックします。
耳鏡検査では、

  • 耳垢の量や性状
  • 外耳道の炎症の有無
  • 腫瘍や異物の存在

などを確認することができます。
痛みを伴わない検査で、多くの耳の病気の診断に不可欠な検査ですね。

耳鏡検査

オトスコープ検査

オトスコープとは耳専用の内視鏡のことです。
オトスコープは耳道の奥まで明るく照らしながら観察できるため、従来の耳鏡では見えにくい部分も確認できます。
また耳道内に異物が入っている場合や腫瘤がある場合はオトスコープを用いることで早期に発見し、迅速に対処することが可能です。
オトスコープは得られた画像をモニターに写し、飼い主様と共有することで、耳道の状態や治療の必要性について理解を深めてもらうことができます。

オトスコープ検査

耳垢・分泌物の顕微鏡検査

耳の中の分泌物や耳垢を採取し、顕微鏡で詳しく観察します。
顕微鏡検査では

  • 細菌
  • 真菌(特にマラセチア)
  • ダニ

などの存在を確認します。
また、炎症細胞の有無を調べることで適切な治療方針を立てることができますね。
数分で結果の判定ができ、迅速な診断が可能です。

顕微鏡検査

レントゲン検査

レントゲン検査は耳鏡検査などによって鼓膜や外耳道の評価ができない場合に有用な検査です。
重度の外耳炎では耳道の狭窄などにより耳鏡検査が難しいことがあります。
このような場合はレントゲン検査で外耳道の状態を評価することが可能です。
また、中耳炎が慢性化すると周囲の骨や軟部組織に変化が見られることがあります。
中耳は鼓膜の奥に位置しているため、耳鏡での観察が困難です。
そのため、中耳炎の評価にはレントゲン検査が有効ですね。

レントゲン検査

藤沢市にあるサーカス動物病院の特徴

日本を代表する皮膚科・耳科専門施設

当院はアジア獣医皮膚科専門医2名、アジア獣医皮膚科専門医協会レジデント3名が在籍する日本を代表する皮膚科専門施設です。
豊富な経験と知識をもとに高度な皮膚科・耳科診察を提供し、飼い主様からだけではなく、トリマーや動物病院など、動物のプロから頼られる科です。
また、耳科を専門とするアジア獣医皮膚科専門医を顧問に招き、耳道内視鏡を用いた高度な耳科処置や外科手術にも対応しています。

特徴
特徴

最新設備を備えた診療環境

当院では耳科の専門診療を行うために、最新の設備を導入し、より正確な診断と安全な治療を提供できる体制を整えています。
特にオトスコープは、外耳や中耳内の徹底的な洗浄、ポリープや腫瘍の切除など幅広い処置が実施できます。
外耳炎の治療が長期化している、治ってもすぐに再発するなどの場合はオトスコープによる詳細な観察が有効です。

飼い主様への丁寧な説明と指導

当院では、初診60分は再診30分という一般の動物病院ではありえないほどの長時間の診察時間を設け、診断結果や治療方針について、飼い主様にわかりやすく丁寧に説明します。
耳の病気の治療には、飼い主様の理解と協力が不可欠です。
耳の掃除の仕方や薬の使用法など具体的なアドバイスを提供いたします。
飼い主様との信頼関係を大切にし、愛犬の健やかな暮らしを支えます。

説明と指導

代表的な耳科疾患について

犬の外耳炎

外耳炎は耳の入り口から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる病気で、犬によく見られます。
外耳炎では外耳道に炎症が起こり、

  • かゆみ
  • 耳の中の腫れ
  • 耳垢の増加

などの症状が現れますね。
外耳炎を放置すると、外耳道が狭くなり耳垢が排出されにくくなるので注意しましょう。
外耳炎は、

  • アレルギー
  • 異物
  • 腫瘍
  • 寄生虫
  • 内分泌疾患

などの基礎疾患があると、発症しやすいとされています。
外耳炎の治りが悪かったり、繰り返している場合には、なぜ外耳炎が発生しているかを判定することが重要です。
当院では、症状をよく観察し、詳しく検査することで外耳炎の原因を探っていきます。
外耳炎は慢性化すると治療が困難になることがあります。
愛犬・愛猫の耳の異変に気がついたら早めにご相談ください。

外耳炎

犬の中耳炎・内耳炎

犬の中耳炎・内耳炎は、耳の鼓膜よりも奥にある中耳や内耳に炎症が起こる病気です。
犬では外耳炎が進行し、炎症が中耳や内耳に波及することで発生することが一般的です。
外耳炎以外にも異物や腫瘍が原因になることもありますね。
中耳炎では、

  • 痛み
  • 頭の傾き(斜頸)
  • ふらつき

などの症状が見られます。
内耳炎も併発すると眼振が出るなど神経症状が悪化することが多いです。
中耳炎・内耳炎の治療は、原因に応じて抗生物質などを用いて内科治療を行います。
しかし、内科治療のみで改善が乏しい場合はオトスコープによる洗浄が有効です。
異物や腫瘍が原因の場合はオトスコープを用いることで早期発見し、適切な治療を行うことができます。
中耳炎が悪化すると、犬の生活の質が著しく低下するので早めの対処が大切です。

中耳炎・内耳炎

犬の耳血腫

犬の耳血腫は耳の皮膚と耳介の軟骨の間に血液が溜まる病気です。
耳血腫は耳をかいたり、頭を振ったりすることで耳介内の血管が破れて出血することで発症します。
犬では外耳炎が原因で耳をかき続けることで発症することが多いですね。
他にも、中耳炎や外傷などが原因になることもあります。
耳血腫の治療にはさまざまなものがあります。
耳血腫が軽度の場合は耳に溜まった液体を抜いて、ステロイドなどの薬で治療することが多いです。しかし、一度液体を抜いても再発しやすいため、繰り返しの治療が必要です。
内科治療で効果が見られない場合や再発を繰り返す場合は手術が行われます。
耳介に小さな穴を開けて液体を排出し、耳の内側と外側を縫い合わせて液体が溜まるスペースを減らします。
耳血腫では原因疾患の治療も大切です。原因疾患を同時に治療することで再発リスクを減少させることができます。

耳血腫

犬の耳道内腫瘍

犬の耳道内には腫瘍ができることもあります。
腫瘍が発生すると、耳道内の通気性が悪化し、分泌物が排出されにくくなります。
外耳炎がなかなか治らない場合は腫瘍が原因のこともあるので注意しましょう。
腫瘍は良性と悪性に分けられ、診断には病理検査が重要です。耳道内の腫瘍はオトスコープを用いて細胞や組織を採取し、病理検査を行うことが多いです。
また、レントゲン検査やCT検査などの画像検査を行うことで、腫瘍の状態を確認することができます。
腫瘍が良性の場合はオトスコープで切除が可能なこともあります。
オトスコープは従来の手術に比べ、侵襲が少なく治療が可能ですね。
悪性の腫瘍はオトスコープで切除できることもありますが、周囲への浸潤性が強く、外科手術が必要になることが多いです。
犬の耳道内腫瘍は早期発見と適切な治療が重要です。

耳道内腫瘍