犬のマラセチア性皮膚炎|スキンケアと外用療法で改善したキャバリアの一例

#マラセチア性皮膚炎 #かゆみ #ベタつき
2026.03.07

「愛犬の皮膚がベタベタして臭いが気になる」
「赤みや痒みが治まらない」
「何度も皮膚炎を繰り返している」

これらの症状は、マラセチア性皮膚炎という皮膚病のサインかもしれません。
マラセチア性皮膚炎は、他の皮膚疾患に併発しやすく、適切な治療とスキンケアが重要になります。

今回は、マラセチア性皮膚炎について解説し、外用療法とスキンケアで改善したキャバリアの実際の症例をご紹介します。

ぜひ最後までお読みいただき、愛犬の皮膚トラブル改善にお役立てください。

 📍 目次
 ▼ マラセチア性皮膚炎とは
 ▼ マラセチア性皮膚炎の症状
 ▼ マラセチア性皮膚炎の原因
▼ 実際の症例
▼ まとめ

マラセチア性皮膚炎とは

マラセチア性皮膚炎は、皮膚に常在するマラセチアという酵母様真菌(こうぼようしんきん:カビの一種)が異常に増えることで発症する皮膚病です。
マラセチアは健康な犬の皮膚にも存在する常在菌で、通常は皮膚に悪影響を与えません。
しかし、犬アトピー性皮膚炎や食物アレルギーなど皮膚に基礎疾患がある犬では皮脂の分泌が増えるため、マラセチアが急速に増殖して皮膚に炎症を引き起こします。

マラセチア性皮膚炎の症状

マラセチア性皮膚炎の症状は、強い痒みと皮膚の赤み・ベタつきが特徴的です。

具体的には以下のような症状が見られます。

  • 強い痒み
  • 皮膚の赤み
  • 皮膚のベタつき
  • 独特の臭い(脂漏臭:しろうしゅう)
  • 脱毛
  • 皮膚が厚く硬くなる(苔癬化:たいせんか)

これらの症状は脇の下・股・耳・顎・肘・指の間など、皮脂がたまりやすく蒸れやすい部位に多く見られる傾向があります。

こちらをみているキャバリア

マラセチア性皮膚炎の原因

マラセチア性皮膚炎の原因は、基礎疾患による皮膚環境の変化です。
皮膚のバリア機能の低下や免疫機能不全などの基礎疾患から二次的に発症します。

具体的な基礎疾患には以下のようなものがあります。

  • アレルギー性皮膚炎(犬アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)
  • 脂漏症(皮脂の分泌が過剰な体質)
  • ホルモン異常(甲状腺機能低下症、クッシング症候群)

これらはいずれも基礎疾患が先に存在し、その結果としてマラセチアが増えるという関係にあります。

マラセチアを減らす治療だけしても、基礎疾患をコントロールしなければ再発を繰り返すことになります。
長年症状の改善が見られない場合は、背景となる疾患から見直すことが重要になります。

マラセチア性皮膚炎の治療

マラセチア性皮膚炎の治療では、
「基礎疾患を管理すること」
「皮膚上のマラセチアの数を減らすこと」
の2点が重要になります。

治療薬と補助療法を組み合わせ、その犬の皮膚の状態や基礎疾患を踏まえた治療プランを選ぶことが大切です。

治療

マラセチア性皮膚炎の治療は、抗真菌薬の使用がメインとなります。
症状に合わせ、塗り薬と飲み薬が使われます。

犬アトピー性皮膚炎などを併発している場合には、ステロイドの使用も有効です。

特に長期間の炎症によって皮膚が厚く硬くなっている場合には、外用ステロイドを使用することで高い改善効果が期待できます。

補助療法

薬剤の使用だけでなく、以下の補助療法も効果的です。

  • クレンジングオイルで余分な皮脂を除去
  • 抗菌シャンプーで週2回程度の洗浄
  • セラミド配合保湿剤の使用

いずれも、マラセチアの数を減らしつつ、皮膚のバリア機能を適切に管理するための方法です。

これらを組み合わせることで、治療薬単体よりも皮膚の状態改善が期待できます。

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実際の症例

今回紹介する症例は、5歳のキャバリア・キングチャールズ・スパニエル(避妊済みメス)です。

来院の経緯

この犬は他院で犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギーで内服薬による治療を継続していました。

しかし、
「首から胸・肘にかけて脱毛や赤みがあり、皮膚のベタベタと痒みが良くならない。」
との訴えで来院されました。

マラセチア皮膚炎を発症しているキャバリアの胸

初診時の状態

初診時の視診では患部の皮膚が慢性的な炎症で著しく肥厚し、硬くゴワゴワになっていました。
皮膚表面は油性の分泌物で覆われてベタベタしており、独特の臭いが認められました。

皮膚検査を実施したところ通常の数十倍のマラセチアが確認されました。

治療内容

飼い主様には補助療法を組み合わせることで皮膚環境を改善できる可能性をご説明し、治療プランに同意いただきました。

治療と管理のご提案として以下を行いました。

  • クレンジングオイルによる皮脂除去
  • 抗真菌シャンプーでの週2回洗浄
  • セラミド配合保湿剤の使用
  • 肥厚した皮膚部位へのステロイド外用剤の塗布

このような慢性化したケースではまず短期間でしっかり炎症を抑えることが大切です。

外用ステロイドは内服薬に比べて副作用が少なく、患部に直接作用して高い効果が期待できます。

治療経過

2ヶ月後の再診時には目覚ましい改善が見られました。

赤く腫れていた皮膚は健康的なピンク色に変化し、厚く硬かった皮膚も柔らかさを取り戻していました。
脱毛部位には新しい毛が生え始め、皮膚のベタつきも大幅に軽減されました。

飼い主様から「夜もぐっすり眠れるようになり、元気な姿が戻ってきました」という嬉しいお言葉をいただきました。

通常、慢性化した皮膚炎では治るまでに時間がかかります。
本症例では比較的順調な改善が確認できました。

今後は皮膚の状態を見ながら、さらに負担の少ない維持療法へと段階的に移行していく予定です。

マラセチア性皮膚炎が改善したあとのキャバリアの皮膚

まとめ

今回はマラセチア性皮膚炎について解説し、実際の症例をご紹介しました。

マラセチア性皮膚炎は基礎疾患の管理と適切なスキンケアによって改善が期待できる皮膚病です。
「長年治療しているのに良くならない」とお悩みの方も、適切な外用療法を取り入れることで改善する可能性があります。当院では皮膚科診療に力を入れており、一頭一頭に合わせた治療プランをご提案しています。
愛犬の皮膚トラブルでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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