
「愛犬に赤いできものができた」
「まだ若いのにしこりができて心配」
このように感じて、不安になっている飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
じつは、若い犬にできるしこりは皮膚組織球腫(ひふそしききゅうしゅ)という良性の腫瘍である場合があります。
今回は犬の皮膚組織球腫の特徴と、検査や治療について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、愛犬にできものを見つけたときにお役立てください。
獣医師からのメッセージ:まずはお気軽にご相談ください。
犬の皮膚にできるしこりやできものは、見た目だけでは良性か悪性かの判断が非常に困難です。そのため、獣医師による丁寧な視診や触診、しこりの場所の確認に加え、「細胞診」という負担の少ない検査を適切に行うことが、客観的な評価と早期治療への第一歩となります。
サーカス動物病院グループでは、皮膚科診療や総合診療の一環として、日常的な皮膚のしこりに対しても高い水準で正確な診断とケアを実践しています。
「しこりが急に大きくなってきた」「できものが増えてきた」「良性か悪性かはっきりさせたい」「なかなか良くならない」といったお悩みがある場合は、一人で抱え込まずにぜひ当動物病院グループへご相談ください。
愛犬の状態に合わせた最適なケアを、一緒に考えていきましょう。
| 📍 目次 ▼ 犬の皮膚組織球腫とは? ▼ 犬の皮膚組織球腫の症状 ▼ 犬の皮膚組織球腫の検査 ▼ 犬の皮膚組織球腫の治療 ▼ まとめ |
犬の皮膚組織球腫とは?
犬の皮膚組織球腫は、皮膚に存在する免疫細胞から発生する良性の腫瘍です。
この免疫細胞は、外から入ってきた異物を見張る役割を担う細胞です。
何らかの理由でこの細胞が増えることで、皮膚に赤く盛り上がったしこりができます。
犬の皮膚組織球腫は、4歳未満の若い犬にもっとも多く見られます。
しこりというと高齢の犬の病気を思い浮かべる方もいらっしゃいますが、この腫瘍は若い時期にできることが特徴です。
自然に小さくなることが多い
犬の皮膚組織球腫の大きな特徴は、多くが治療をしなくても自然に小さくなっていくことです。
これは体の免疫がはたらいて、腫瘍を攻撃するためと考えられています。
また、この腫瘍は良性であり、ほかの臓器に広がることもほとんどありません。

犬の皮膚組織球腫の症状
犬の皮膚組織球腫の症状は、以下のような特徴をもったしこりができることです。
- 赤くドーム状に盛り上がったしこり
- 被毛がないしこり
- 短期間での増大
- 頭部や耳、四肢への発生
それぞれについて解説します。
赤くドーム状に盛り上がったしこり
犬の皮膚組織球腫は、赤みを帯びてドーム状に盛り上がったしこりとして現れます。
この腫瘍は、触ると比較的固く、周りの皮膚との境目がはっきりしていることが多いです。
また、犬の皮膚組織球腫の多くは、大きさが直径0.5〜4cm程度です。
被毛がないしこり
犬の皮膚組織球腫ができた部分は、通常、表面に被毛が生えません。
そのため、周囲の被毛に埋もれていても、被毛のない赤いしこりとして見つけやすくなることが多いです。
短期間での増大
犬の皮膚組織球腫は増殖する速度が速く、数週間のうちに目立つ大きさになることがあります。
急に大きくなると悪性を心配される飼い主様も多いですが、皮膚組織球腫では良性でもこのように大きくなります。
大きくなるスピードだけで良性か悪性かを判断することはできません。
頭部や耳、四肢への発生
犬の皮膚組織球腫は、頭部や耳、四肢にできやすい腫瘍です。
多くは1か所にぽつんとできますが、まれに複数の場所に同時にできることもあります。
犬の皮膚組織球腫の検査
犬の皮膚組織球腫には見た目の特徴がありますが、よく似た腫瘍もあるため、見た目だけで診断することはできません。
なかには悪性腫瘍が、同じように赤く盛り上がったしこりとして現れることもあります。
このため、しこりの性質を確かめる検査を行います。
細胞診
細胞診は、しこりに細い針を刺して細胞を取り出し、顕微鏡で調べる検査です。
体への負担が少なく麻酔をかけずに行えることが多いため、しこりを見つけたときにまず行われます。
ただし犬の皮膚組織球腫は、細胞診だけでは確定診断には至りません。
この検査は皮膚組織球腫の疑いが強いか、あるいは肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)などのほかの悪性腫瘍ではないかを確認するために重要です。
病理検査
病理検査は、しこりを一部または全部切除したうえで、顕微鏡で詳しく調べて腫瘍の種類を確定診断する検査です。
ただし、事前の細胞診で皮膚組織球腫が強く疑われる場合は、切除をせずに経過を追うことが多く、病理検査まで行わないことも少なくありません。
細胞診で悪性腫瘍との区別が難しい場合や、時間がたっても小さくならない場合には、切除して病理検査を行うことが検討されます。

犬の皮膚組織球腫の治療
犬の皮膚組織球腫の治療は、しこりの状態によって変わります。
皮膚組織球腫の疑いが強い場合は、経過観察をして小さくなるのを待ちますが、場合によっては外科的切除を行うこともあります。
それぞれについて見ていきましょう。
経過観察
経過観察では、しこりが自然に小さくなるのを待ちます。
犬の皮膚組織球腫の多くは、数週間から3か月程度で自然に小さくなっていきます。
このため、すぐに手術をせずに、様子を見ながら変化を追っていくことが多いです。
皮膚組織球腫は小さくなっていく過程で、体の免疫細胞による攻撃を受け、しこりの表面がジュクジュクしたり、かさぶたができたりします。
一時的に見た目が悪くなったように感じますが、これは治っていく過程で見られる変化です。
ただし、愛犬が気にしてなめ壊してしまう場合は、早めに動物病院に相談しましょう。
経過観察は1か月ごとに動物病院で行い、しこりが小さくなってきているかを確認します。
外科的切除
外科的切除は、しこりを手術で取り除く治療です。
3か月を過ぎても小さくならない場合や、愛犬が気にして出血をくり返す場合には、切除が選ばれます。
犬の皮膚組織球腫は良性であり、切除すれば再発することはほとんどありません。
まとめ
犬の皮膚組織球腫は、4歳未満の若い犬にできやすい良性の腫瘍です。
多くは数週間から3か月ほどで自然に小さくなり、経過も良好なことがほとんどです。
ただし、見た目だけではほかの腫瘍と区別できないため、愛犬にしこりを見つけたときは動物病院に相談しましょう。
サーカス動物病院グループでは皮膚科診療や総合診療の一環として、皮膚のしこりの検査や治療についても経験豊富な獣医師が対応しております。
愛犬のできものが気になる飼い主様は、ぜひ当動物病院グループまでお気軽にご相談ください。
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