
犬の緑内障は治療が遅れると失明する可能性があり、眼科の中でも緊急疾患に分類される、時間との勝負の病気です。
少しでも気になる症状があれば、愛犬のために早めにかかりつけ医の先生もしくは救急病院にご相談ください。
▼サーカス動物病院グループをご検討の方へ
本記事を読んで気になる症状があれば、迷わず当動物病院グループにご相談ください。
ご予約は不要ですので、緊急性を考慮して対応いたします。
「うちの子の目が赤くなって、急に物にぶつかるようになった」
このような症状に気づいたら、それは緑内障(りょくないしょう)のサインかもしれません。
緑内障は進行すると視力を失う可能性が高い病気ですが、早期発見と目薬による適切な治療によって進行を遅らせることができます。
しかし、緑内障の目薬は種類が多く、使い方や注意点を正しく理解していないと、十分な効果が得られないこともあります。
本記事では、犬の緑内障とは何か、なぜ目薬が重要なのかを獣医師の立場からわかりやすく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、緑内障の理解を深めましょう。
獣医師からのメッセージ:まずはお気軽にご相談ください。
眼科領域では、専用の検査機器が普及してきたことで、これまで見た目だけでは判断が難しかった異常も客観的に評価できるようになりました。
その結果、症状が軽いうちに適切な診断と治療を行うことで、視力の維持や症状の改善を目指すことができるようになっています。
多くの動物病院は総合診療として幅広い相談に対応できる点が強みです。
一方で、獣医療の進歩に伴い、すべての分野で常に高い専門性を維持することが難しいという側面もあります。
サーカス動物病院グループでは日本に2名しかいない眼科のプロフェッショナルである米国獣医眼科専門医の青木先生をお招きするなど眼科診療にも力を入れており、知識と経験を積んだ獣医師が診療にあたっております。
「目やにが増えた」「目が赤い」「見えにくそうにしている」「なかなか良くならない」といったお悩みがある場合は、一人で抱え込まずにぜひご相談ください。
愛犬の状態に合わせた最適なケアを、一緒に考えていきましょう。
| 📍 目次 ▼ 犬の緑内障とは? ▼ 犬の緑内障の治療の基本は目薬 ▼ 犬の緑内障の目薬の種類と特徴 ▼ 犬の緑内障の目薬の正しい点眼方法と続けるコツ ▼ 犬の緑内障の目薬以外の治療法 ▼ 犬の目の検査にはどんなものがあるの? ▼ まとめ |
犬の緑内障とは?
犬の緑内障とは、眼圧(目の中の圧力)が異常に高まり、視神経(ししんけい)が障害される病気です。
目の中では房水(ぼうすい)という液体が作られては外に排出されることで、眼圧が一定に保たれています。
しかし、房水の流れが悪くなったり、房水が作られすぎたりすると、眼圧が高くなります。
眼圧が高くなると視神経や網膜(もうまく)が圧迫されて傷つき、失明することも多いです。
じつは犬の緑内障は人よりも進行が早く、数日から数週間で失明するケースも珍しくありません。
犬の緑内障の分類
犬の緑内障は大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
- 原発性緑内障:柴犬、アメリカン・コッカー・スパニエルなど遺伝的に発症しやすい犬種に多い
- 続発性緑内障:白内障、ぶどう膜炎などが原因で起こる
犬の緑内障はどちらのケースでも早期治療が重要です。
犬の緑内障の治療の基本は目薬
犬の緑内障治療の基本は目薬であり、その目的は眼圧を下げて視神経へのダメージを防ぐことです。
緑内障は進行性の病気であり、症状が軽く見えても目の中では異常な圧力がかかっていることがあります。
そのため、診断がついた時点で目薬による治療を開始することが大切です。
また犬の緑内障は、多くの場合一生付き合っていく慢性疾患です。
このため継続的に目薬を使うことで、愛犬の視力と生活の質を守っていくことがとても重要になります。
犬の緑内障の目薬の種類と特徴

犬の緑内障治療では、1種類の目薬だけで十分な効果が得られることは少なく、複数の作用をもつ目薬を組み合わせて使用することが多いです。
それぞれの目薬には役割があり、特徴を理解しておくことが大切です。
炭酸脱水酵素阻害薬(たんさん だっすいそこうそ そがいやく)
炭酸脱水酵素阻害薬は房水が作られるのを抑えることで犬の眼圧を下げる目薬です。
この目薬は眼圧を安定してコントロールしやすく、副作用が比較的少ないため、長期管理に適しています。
炭酸脱水酵素阻害薬は、ほかの目薬と併用されることも多く、治療の土台として重要な役割を担っています。
プロスタグランジン関連薬
プロスタグランジン関連薬は房水の排出をうながすことで、犬の眼圧を強力に下げる効果があります。
この目薬は即効性があるため、眼圧がとても高い犬や、急激な眼圧の上昇が見られるときに使用されることが多い目薬です。
プロスタグランジン関連薬は点眼後に目の充血が見られることがありますが、多くは一時的なものです。
β遮断薬(べーたしゃだんやく)
β遮断薬は、房水が作られるのを抑えることで犬の眼圧を下げる作用があります。
この目薬は炭酸脱水酵素阻害薬とあわせて使うことで、より安定した眼圧管理ができることがあります。
ただし、心疾患や呼吸器疾患のある犬の場合は、使用できるかどうか獣医師による慎重な判断と定期的な経過観察が必要です。
合剤(ごうざい)
合剤は、上記の成分が以下の組み合わせでひとつの目薬に配合されているタイプの点眼薬です。
- 炭酸脱水素酵素阻害薬+β遮断薬
- プロスタグランジン関連薬+β遮断薬
合剤を使用すると複数の目薬を使わずに済み、飼い主様の負担が軽くなるため、点眼を続けやすくなるメリットがあります。
一方で、含まれる成分によっては使用できない病気や体質もあるため、愛犬の状態に合わせて目薬を選んでもらうことが大切です。
また目薬は自己判断で使用せず、獣医師の指示に従って使用するようにしましょう。
犬の緑内障の目薬の正しい点眼方法と続けるコツ

犬の緑内障治療では、正しい方法で継続して点眼することがとても大切です。
一度眼圧が下がっても、点眼を続けなければ眼圧はまた上がってしまいます。
そのため、当院では飼い主様に正しい点眼の方法と、点眼を続けるためのコツをお伝えしています。
それぞれについて解説します。
正しい点眼方法
愛犬に正しく点眼をするために、以下のポイントをおさえることが重要です。
- 犬の頭は優しく固定する
点眼するときは犬の頭は無理に押さえつけず、体を安定させながら優しく固定しましょう。 - 容器の先端が目やまつ毛に触れない
容器の先端に細菌が付着する恐れがあるため注意が必要です。 - 点眼後は軽くまぶたを閉じさせる
まぶたを閉じることで目薬が目全体に行き渡りやすくなります。 - 複数の目薬を点眼するときは5分以上間隔を空ける
それぞれの薬がしっかり作用するためには、少なくとも5分以上の間隔を空けましょう。
点眼を続けるコツ
愛犬の点眼を無理なく続けるためには、いくつかのコツがあります。
- 点眼後におやつや声かけで褒める
- 毎日同じ時間帯に行い、生活の一部として定着させる
- 家族がいる場合は役割分担をして、協力して点眼する
愛犬の視力を守り続けるためにも、獣医師と相談して工夫しながら点眼を続けていきましょう。
犬の緑内障の目薬以外の治療法
犬の緑内障は進行性の病気であるため、目薬を続けていても、最終的に眼圧がコントロールできなくなることもあります。
目薬は犬の緑内障の治療において視力を守るために大切ですが、病気そのものの進行を完全には止められません。
このため目薬による眼圧管理が難しくなったときには、外科的治療も検討されることがあります。
外科的治療
犬の緑内障の外科的治療は、点眼による眼圧のコントロールがむずかしいときに適用されます。
犬の緑内障の外科的治療は、以下の2つが代表的です。
- 房水を作る組織にレーザーを照射して、眼圧を下げる手術
- 房水の流れを改善するインプラントを設置する手術
これらの外科的治療は眼圧を安定させ、できるだけ視力を維持することを目的として行われます。
ただし、緑内障の進行具合によっては十分な効果が得られないこともあります。
そのため、視力の状態や眼の痛み、犬の生活の質を踏まえて治療方針を検討することが重要です。
眼の痛みをとるための義眼
犬の緑内障治療では眼の痛みを緩和するために、義眼の装着をすることがあります。
目薬や外科治療によって緑内障を治療しても、視力を失い、眼の痛みが続くことも珍しくありません。
このような場合は眼の痛みを緩和するために、眼球を摘出して義眼を装着することも検討されます。
義眼と聞くと、多くの飼い主様は抵抗があるかもしれません。
しかし、実際には手術後には痛みがなくなり、愛犬の表情や行動が明るくなることも少なくありません。
見た目の違和感も少ないため、飼い主様の心理的負担が軽減されるという点も、義眼の大きなメリットです。
犬の目の検査にはどんなものがあるの?
犬の目の病気を正確に診断するためには、複数の検査を組み合わせて行う必要があります。代表的な検査には以下のようなものがあります。
- 眼圧検査
眼の中の圧力に異常がないかを調べる検査です。
とくに緑内障やぶどう膜炎の診断において重要です。 - 細隙灯顕微鏡検査(スリットランプ検査)
水晶体の濁り具合や角膜(かくまく)の状態を詳しく観察する検査です。
白内障と核硬化症を見分けるために特に重要です。 - 眼底検査
眼の奥にある網膜(もうまく)の状態を確認する検査です。
緑内障では視神経や網膜がダメージを受けていることがあり、眼底検査で確認することが大切です。 - シルマー涙液量検査
涙の量を測定し、ドライアイの有無を調べる検査です。 - フルオレセイン染色検査
角膜に傷がないかを調べる検査です。 - 眼球超音波検査
眼の奥にある網膜の異常や腫瘍の有無を調べる検査です。
このように、犬の眼の病気を正しく診断するためには専用の検査機器が必要になります。
しかし、すべての動物病院がこれらの機器を揃えているわけではありません。
「目が赤い」「目が痛そう」「目をしばしばしている」といった症状の原因は、見た目だけでは特定することができません。
愛犬の目を守るためには、適切な眼科検査ができる動物病院を選ぶことがとても大切です。
サーカス動物病院グループでは、眼科診療に必要な検査機器を整え、知識と経験を積んだ獣医師が診療にあたっています。
気になる症状があれば、どんなに小さなことでもお気軽にご相談ください。
まとめ
犬の緑内障は、気づいたときにはすでに進行していることが多い病気です。
しかし、早期に発見して適切な目薬治療を行うことで、愛犬の視力を守ることができる可能性は高まります。
愛犬の目の赤みや痛みなどの変化に気がついたら、早めに動物病院を受診しましょう。サーカス動物病院グループでは犬の眼科にも専門性のある診療を行っています。
どんなに小さな変化でも、気になることがあればいつでもご相談ください。
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この記事を監修した獣医師によるコメント



