「愛犬の目が急にしょぼしょぼしている」
「白く濁って見える」
「目を気にして搔いている」
そんな様子を見たことはありませんか?
もしかすると、角膜穿孔(かくまくせんこう)という危険な状態かもしれません。
角膜穿孔は放っておくと視力を失ってしまうこともあり、早期発見と治療がとても大切です。
今回の記事では、犬の角膜穿孔が起こる原因や注意すべきポイントについて分かりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで、愛犬の目を守るための知識を身につけてください。

| 📍 目次 ▼ 角膜穿孔とは ▼ 角膜穿孔が起こる原因 ▼ 角膜穿孔の症状 ▼ 角膜穿孔の検査 ▼ 角膜穿孔の治療後の注意点 ▼ 自宅でできる予防方法 ▼ まとめ |
角膜穿孔とは
角膜穿孔とは目の表面にある角膜に穴があいてしまう状態を指します。
角膜は外界から目を守る大切なバリアの役割を持っており、わずか1mmにも満たない薄い組織ですが、視力を維持するためにとても重要です。
そのため角膜に穴があいてしまう角膜穿孔は、失明につながることもある危険な疾患です。
角膜穿孔の症状は急速に進行するので、数時間〜数日のうちに悪化することもあります。
愛犬の視力を守るためにも、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
角膜穿孔が起こる原因
角膜穿孔は角膜の深い部分が破壊されることで起こります。
主な原因としては以下のようなものが挙げられます。
- 外傷
- 緑内障
- ドライアイ
- 感染
- 自己免疫性疾患
特に以下のような犬種では角膜穿孔が起こりやすい傾向にあるので注意が必要です。
- シーズー
- フレンチブルドッグ
- パグ
- ペキニーズ
- チワワ
短頭種では日常のちょっとした刺激が引き金になることもあります。

角膜穿孔の症状
角膜穿孔の症状は以下の通りです。
- 目をしょぼしょぼさせる
- 涙や目やにが増える
- 角膜が白く濁って見える
- 目の形が凹んで見える
- 犬が目をこすろうとする
これらの症状は一見軽く見えても、急速に悪化することがあります。
角膜穿孔が起こると、犬は非常に強い痛みを感じます。
症状が悪化し角膜穿孔に発展する前に、早めの受診を心がけましょう。

角膜穿孔の検査
角膜穿孔が疑われる場合、以下のような様々な眼科検査を組み合わせることで、穿孔の深さや視力への影響などを総合的に判断します。
- スリットランプ検査
- フルオレセイン染色検査
- 眼圧測定
- 眼底検査
以下に詳しく説明していきます。
スリットランプ検査
スリットランプ検査は角膜の状態を拡大して観察する検査です。
この検査により表面の傷の深さや眼球内への影響を確認することができます。
フルオレセイン染色検査
フルオレセイン染色検査は特殊な蛍光色素を使って角膜の傷を可視化する検査です。
穴があいている場合、染色液が内部に流れ込み、ブルーライトで傷を光らせることができます。
これにより傷を可視化することができます。
眼圧測定
眼圧測定は眼球の中の圧力を測ることで、穿孔の有無や眼球内圧を確認する検査です。
穿孔時は眼圧が著しく低下します。
眼底検査
眼底検査は穿孔の影響が眼球全体に及んでいないかを確認する検査です。
スリットランプ検査は眼球の表面の検査をするのに対し、眼底検査は目の視神経や網膜など眼球深部へのダメージをチェックします。
角膜穿孔の治療
角膜穿孔の治療は、傷の深さや広がりによって方法が異なります。
軽度の場合
角膜穿孔が浅い穿孔や小さな穴であれば、抗生剤や角膜障害治療薬などの点眼薬で炎症や感染を抑え、角膜の自然治癒を促すことが可能です。
さらに角膜の保護が必要な場合は、犬用の治療用コンタクトレンズを装着することもあります。
治療用コンタクトレンズは、瞬きの刺激から角膜を守り、治りを早める効果が期待できます。
重度の場合
穴が大きい場合や角膜の奥まで達している場合は、以下のような外科的な治療が必要な場合があります。
- 結膜フラップ術:自分の結膜を移動させて穴を覆い、角膜を保護する方法。
- 角膜移植術:ドナー角膜や自己組織を利用して欠損部を修復する方法。
- 瞬膜フラップ:目の内側の膜で角膜を一時的に覆い、治癒を促す方法。
角膜穿孔は手術をした場合も感染を抑えるための抗菌点眼、炎症を抑える点眼、疼痛管理が必要です。
治療後もしばらくは再発のリスクがあるため、定期的な診察が大切です。
早期に適切な処置を受けることで、視力を守ることが出来る可能性が高まります。

角膜穿孔の治療後の注意点
角膜穿孔は治療後もしばらくは再発のリスクがあります。
そのため目をこすらないようにエリザベスカラーをつけましょう。
医師の指示どおり点眼や内服を続けることが再発予防につながります。
特にドライアイ傾向のある犬では、ドライアイ治療を継続することが非常に重要です。
角膜穿孔を放置するとどうなるの?
角膜穿孔を放置すると、次のような重大な結果を招く恐れがあります。
- 眼球破裂:角膜が破裂する
- 眼内炎:感染が進行して眼球全体が腫れる
- 眼球萎縮:眼球が委縮して小さくなる
- 視力喪失
- 激しい疼痛
このような状態になると、眼球摘出手術が必要になる場合もあります。
愛犬が痛みや不自由を抱えないためにも、少しでも異変を感じたら早めの受診を心がけましょう。
自宅でできる予防方法
角膜穿孔は多くの場合、以下のような工夫で防げる疾患です。
- 草むらや枝に顔を突っ込ませない
- ドライアイ体質ならこまめに点眼する
- 目をこすらないよう顔周りの毛を整える
日常のちょっとした心がけで、多くの角膜疾患は未然に防ぐことができます。
日頃から愛犬をよく観察し、少しの違和感にも気づいてあげることが何よりの予防です。
毎日のスキンシップを通して愛犬の健康を守りましょう。
まとめ
角膜穿孔は視力を失う危険がある緊急疾患です。
ほんの小さな傷から一気に悪化することもあります。
目を気にしていると感じたら、迷わず受診しましょう。
早期に発見できれば、視力を守ることができる可能性は高まります。
当院では眼科疾患の早期発見や治療に力を入れています。
気になる症状がある際は、お気軽にご相談ください。
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