「猫のお腹を撫でていたら、しこりを見つけた」
「お腹のできものを最近気にするようになった」
そんな経験のある猫の飼い主さまもいらっしゃるのではないでしょうか?
猫のお腹にできるしこりの1つに乳腺腫瘍があります。
猫の乳腺腫瘍は、残念ながら命に関わるケースが多いのが現実です。
しかし片側の乳腺をすべて切除する片側乳腺全摘出のような、しっかり切除する治療を行うことで、命が守れる場合もあります。
今回は猫の乳腺腫瘍について、原因や治療方法の1つである片側乳腺全摘出について詳しく解説します。
猫のしこりについて気になる方はぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
| 📍 目次 ▼ 猫の乳腺腫瘍とは ▼ 乳腺腫瘍の片側乳腺全摘出とは ▼ 片側乳腺全摘出が適応されないケース ▼ 片側乳腺全摘出に伴うリスクや合併症 ▼ 手術後の病理組織検査と追加治療の必要性 ▼ まとめ |

猫の乳腺腫瘍とは
猫の乳腺腫瘍は猫の乳腺にできるしこりのことです。
乳腺腫瘍には良性と悪性がありますが、猫の乳腺腫瘍の場合、悪性の割合が高いのが特徴です。
そのため進行するスピードが速く、発見した時にはすでに全身に広がっていることも珍しくありません。
お腹にしこりを見つけたら、サイズに関わらず早めに動物病院を受診することが重要です。
乳腺腫瘍の片側乳腺全摘出とは
悪性の可能性が高い猫の乳腺腫瘍では、しこり部分だけを取り除くのではなく、片側の乳腺をすべて切除する片側乳腺全摘出が標準的な治療法です。
猫の乳腺はリンパ管を通じてお互いに繋がっています。
そのため、猫の乳腺腫瘍はしこりがある側の乳腺を、脇の下から足の付け根まで一列すべて切除する必要があります。
片側乳腺全摘出は、取り残しやすい目に見えないがん細胞への対策や再発のリスクの軽減が可能です。
大きく切ることに不安を感じる方もいらっしゃいますが、片側乳腺全摘出はできるだけ再発の確率を下げる上で非常に理にかなった術式ですね。
片側乳腺全摘出が適応されないケース
片側乳腺全摘出はとても効果的ですが、猫の体の状態や病気の進行具合によっては、手術が推奨されないこともあります。
以下のような場合は無理に手術を行うことで、かえって苦痛を与えてしまったり、命を縮めてしまったりするリスクがある場合には、慎重な判断が必要です。
- すでに肺や他の臓器への明らかな転移が見つかった場合
- 皮膚が赤く腫れ上がり急速に広がる、炎症性乳癌の場合
- 重度の心臓病や腎臓病などを患っており、全身麻酔をかけるリスクが著しく高い場合
- 衰弱により体力が著しく低下しており、術後の回復が見込めない場合
このように手術が適応外となった場合でも、治療の手立てがなくなるわけではありません。
痛み止めや抗炎症剤を使った緩和ケアなど、猫が最期まで穏やかに過ごすためにできることは残されています。

片側乳腺全摘出に伴うリスクや合併症
片側乳腺全摘出は広範囲の皮膚と組織を切除する手術であるため、術後に以下のような問題が起こるリスクがあります。
- 切除した部分の皮下に水が溜まる
- 皮膚の突っ張りや術後の活発な動きによって、傷の一部が開く
- 傷口が細菌感染を起こし化膿する
- 痛みや違和感で傷を気にして舐め壊す
これらは命に関わることは多くありませんが、術後の治療をスムーズに進めるために、あらかじめ知っておくべき点です。
このような問題を避けるため、多くの病院では手術方法の工夫や徹底した鎮痛管理をおこない予防に努めています。
しかし最も大切なことは退院後に、エリザベスカラーや術後服を正しく着用し、猫が自分で傷を傷つけないよう守ってあげることです。
術後は傷口に影響が出ないよう安静な生活を心がけましょう。
手術後の病理組織検査と追加治療の必要性
手術後は切除した組織を専門の検査機関に送る病理組織検査が行われます。
病理組織検査は、腫瘍の悪性度や手術で取りきれているか、などを詳しく確認するために重要な検査です。
再発リスクが高いと判断された場合は、片側だけの乳腺腫瘍だったとしても予防的に残された反対側の乳腺も全摘出をおこなったり、抗がん剤治療をおこなったりすることもあります。
病理組織検査は目にみえないレベルで残っているかもしれない、がん細胞への対策をし、再発防止を目指すための大切なプロセスですね。

まとめ
猫の乳腺腫瘍は、悪性の確率が高く進行も早いため、早期発見と適切な治療が大切な疾患です。
日頃からスキンシップを通じて小さなしこりがないか確認し、早期避妊手術などの予防策も検討してみてください。
しこりの相談だけでなく、手術への不安や治療方法など、不安なことがあれば当院までお気軽にご相談ください。
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