
犬の皮膚病は動物病院の来院理由の約30%を占めます。
その中でもアトピー性皮膚炎と食物アレルギーは繰り返す皮膚の痒みの原因になる代表的な疾患です。
「犬が顔や足先をずっと痒がっていて治らない。」
「動物病院でいろんな治療を試したが、犬の皮膚症状が良くならない。」
このようなお悩みをお持ちの飼い主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は犬の皮膚病の中でも、犬アトピー性皮膚炎と食物アレルギーについて詳しく解説します。
記事の中では当院で治療を行い実際に症状が改善した症例もご紹介します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の皮膚病に対する理解を深めていただければ幸いです。
| 📍 目次 ▼ 犬アトピー性皮膚炎とは ▼ 犬の食物アレルギーとは ▼ 実際の症例 ▼ まとめ |
犬アトピー性皮膚炎とは
犬アトピー性皮膚炎は長く続く痒みが特徴の皮膚炎です。
遺伝的な体質にハウスダストや花粉などの環境アレルゲンが関与して発症します。
症状は1〜3歳頃に発症し、季節によって症状の変化が見られることが多いです。
犬アトピー性皮膚炎の症状
犬アトピー性皮膚炎の症状は
- 強い痒み
- 皮膚の赤み
- 皮膚の湿疹
- 脱毛
- 色素沈着
- 繰り返す外耳炎
などです。
症状の見られる部位には特徴があり
- 眼や口の周り
- 耳
- 肘の内側
- 手足の先
- 腋
- 股
などに左右対称の症状が認められます。
犬アトピー性皮膚炎になりやすい犬種
犬アトピー性皮膚炎を発症しやすい犬種は
- 柴犬
- フレンチブルドッグ
- シー・ズー
- ゴールデン・レトリバー
などです。
上記以外の犬種が犬アトピー性皮膚炎にならないというわけではありません。
どんな犬種でも犬アトピー性皮膚炎を発症する可能性はあります。
犬アトピー性皮膚炎の治療
犬アトピー性皮膚炎は完治が難しいため、症状をコントロールする治療が中心となります。
犬アトピー性皮膚炎の治療法は
- 内服薬
- 外用療法
- 環境アレルゲンの排除
などです。
内服薬には全身の痒みや炎症を広く抑えるステロイドや、JAK阻害薬と呼ばれる痒みに対してピンポイントで効果を示す薬など様々なものがあります。
外用療法とは薬用シャンプーや保湿などのスキンケアのことです。
環境アレルゲンとは花粉やハウスダストのことです。
外出時に犬に服を着せたり、部屋をこまめに掃除することが犬アトピー性皮膚炎の症状を緩和させる可能性があります。
犬の食物アレルギーとは

犬の食物アレルギーは特定の食材に対する免疫反応によって起こります。
犬アトピー性皮膚炎と異なり、季節や年齢に関係なく発症する点が特徴です。
犬の食物アレルギーの症状
犬の食物アレルギーの症状は
- 通年性の痒み
- 皮膚の赤み
- 皮膚の湿疹
- 脱毛
- 下痢や嘔吐などの消化器症状
などです。
食べ物が原因であることから、皮膚症状だけでなく消化器症状も見られることがあります。
犬の食物アレルギーになりやすい犬種
食物アレルギーになりやすい犬種は
- 柴犬
- シー・ズー
- ミニチュア・ダックスフンド
などです。
犬アトピー性皮膚炎と同じく、上記以外の犬種でも食物アレルギーを発症する可能性はあります。
犬の食物アレルギーの治療
犬の食物アレルギーもアレルギー自体を完治させることは難しいため、症状をコントロールする治療が中心となります。
犬の食物アレルギーの治療では、原因物質を取り除いた食事療法が効果的です。
食事療法では療法食を使います。
犬の食物アレルギー用の療法食の中には
- 除去食
- 加水分解タンパク食
などがあります。
除去食とは食物アレルギーの原因食材が含まれない食事です。
加水分解タンパク食は食事に含まれるタンパク質をアレルギーが起こらないレベルまで分解した食事です。
犬の食物アレルギーではまず除去食に切り替えて皮膚の痒みが改善するかを調べ、原因食材を特定することが必要です。
この食事を2ヶ月程度続けて症状の改善状況を観察します。
原因食材が特定できたら、除去食または加水分解タンパク食を続けていきます。
動物病院で紹介している療法食には食物アレルギーに配慮されたものが多数あるため、その中から選んで与えるのがおすすめです。
実際の症例
ここからは実際に当院で治療を行った症例についてご紹介します。
症例は8才の柴犬です。
来院理由は
「顔の痒みが子犬の頃から続いている。」
というものです。
目の周りや顎の脱毛や赤みだけでなく足先も舐めているとのことでした。
このような症状からアレルギー性皮膚炎、特に食物アレルギーや犬アトピー性皮膚炎が疑わしいと考えられました。
フードを療法食に変えたところ、症状に多少の改善をみとめましたが完全には良くなりませんでした。
このことから推測されたのは食物アレルギーと犬アトピー性皮膚炎が併発しているのではないかということです。
このようなケースの治療では食物アレルギーの原因食材を与えないように注意しながら残った痒みを内服薬で抑える必要があります。
この治療の結果、5ヶ月後の再診時にはスッキリとしたお顔になりました。
この写真は治療前と治療後の同じ柴犬の写真です。

目の周りと口周りの腫れが引き、おでこの毛も生え揃って表情まで明るく見えますね。
まとめ
犬の長く続く痒みは見ているだけでもかわいそうで憂鬱ですよね。
食物アレルギーや犬アトピー性皮膚炎は残念ながら完治させることは難しい病気です。
しかし薬とそれ以外のアプローチを組み合わせながら総合的に管理することで良好な状態を維持することはできます。
当院は皮膚科やアレルギー科に力を入れており、多くの治療実績があります。
犬の皮膚の痒みにお困りの際にはぜひ当院にご相談ください。
サーカス動物病院
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