猫の角膜穿孔とは?|突然の目の濁りや痛みは危険なサインかもしれません

2025.12.21

「猫が急に目を細めて涙を流している」
「黒目が白く濁って、なんだか穴が開いているように見える」
そんな症状がある場合、「猫の角膜穿孔」という緊急性の高い病気の可能性があります。

猫の角膜穿孔とは、目の表面である角膜に穴が開いた状態です。
猫の角膜穿孔は放置すると視力障害や眼球自体を失う危険があります。
今回は、猫の視覚に影響を与えてしまう角膜穿孔の原因やサインについて解説していきます。
愛猫の目に違和感を感じた際に参考にしていただければ幸いです。

こちらをみているブリティッシュショートヘア
 📍 目次
 ▼ 猫の角膜穿孔について
 ▼ 猫の角膜穿孔の原因
 ▼ 猫の角膜穿孔のサイン
 ▼ 猫の角膜穿孔の治療
 ▼ 猫の角膜穿孔の予後
▼ まとめ

猫の角膜穿孔について

猫の黒目は角膜と呼ばれる0.5mmほどの薄い膜に覆われています。
眼球はこの角膜により外部の刺激などから保護されています。

角膜穿孔とは角膜が深く傷つき、貫通してしまった状態ですね。
猫の角膜穿孔により眼房水と呼ばれる眼球内の水が漏れ出るようになります。
眼房水は目の組織に栄養を供給し、眼球の構造を維持する役割を担う目にとって大事な液体です。
猫の角膜穿孔では角膜に穴が開くので、眼球内に細菌や異物が入り込みやすくなります。
眼房水の漏出や眼球内の感染・炎症により猫の失明に繋がることがあります。
角膜穿孔の大きさは米粒ほどから針穴までさまざまですが、どんなサイズであっても早急な治療が必要です。

猫の角膜穿孔の原因

猫の角膜穿孔はさまざまな原因で引き起こされます。
代表的な原因を解説していきます。

猫ヘルペスウイルスの感染

猫ヘルペスウイルスは猫の角膜穿孔の原因で一番多い病気です。
猫風邪と呼ばれる猫がよくかかる病気の一つですね。
猫ヘルペスウイルスにかかると猫は結膜炎やくしゃみといった症状がみられます。
結膜炎により猫が目を擦ることで角膜を傷つけ、角膜穿孔に至ることもあります。
猫ヘルペスウイルスはワクチン接種により症状の重症化を予防できます。
猫が角膜穿孔にならないためにも、定期的な猫のワクチン接種を心がけましょう。

猫同士のケンカ

猫同士のケンカで角膜が傷つき、角膜穿孔に至ることがあります。
とくに外に出入りする猫では激しいケンカをすることも多く、怪我の一つとして角膜穿孔がみられますね。
猫の外への出入りを制限することで角膜穿孔を含む怪我や病気のリスクを減らすことが可能です。

異物

ホコリや砂などが目に入り、痒みなどから猫が目を擦ることで角膜潰瘍に発展するケースもあります。
猫の生活環境を衛生的に保つようにしましょう。

上目遣いのキジトラ白猫

猫の角膜穿孔のサイン

角膜穿孔が起きると、猫は強い痛みと不快感を示します。
猫の角膜穿孔が疑われるサインは以下の通りです。

  • 目を開きにくそうにする
  • 目やにが急に増える
  • 黒目の中央が白く盛り上がる
  • 角膜に穴のような黒い点やクレーター状の凹み
  • 触ろうとすると強く嫌がる

特に「角膜中央が白い」「目をすごく痛そうにしている」と感じたら角膜穿孔の可能性があるので、早めに動物病院を受診しましょう。

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猫の角膜穿孔の治療

猫の角膜穿孔の治療は穿孔の程度によって内科療法と外科療法に分けられます。
それぞれについて解説していきます。

内科療法(角膜穿孔が軽度な場合)

角膜穿孔した穴が小さい場合に行われるのが内科療法です。
以下の治療を組み合わせて対応されます。

  • ヒアルロン酸などの角膜保護剤:角膜保護や角膜の創傷治癒を促進
  • 抗生剤:細菌感染の予防
  • エリザベスカラー:猫が目を擦るのを防ぐ

外科療法(角膜穿孔が重度な場合)

角膜穿孔した穴が大きい場合や内科療法で治らない場合に外科療法が選択されます。
代表的な外科療法をいくつか解説します。

結膜フラップ術

自身の結膜を穿孔部の角膜に縫い付け、穿孔部の穴を覆う手術です。
覆われた結膜による創傷治癒の促進や感染を防止します。
傷が深い場合も高い治癒率が期待でき、猫にも体への負担が少ない手術ですね。

角強膜転移術

自身の正常な角膜を穿孔部に移植する手術です。
結膜フラップ術に比べて穿孔部の透明性を回復することが可能です。
角強膜転移術は手術顕微鏡を用いた高度な技術が必要な手術になります。

眼球摘出

外科療法の最終手段として行われる手術です。
以下のような視力を残すのが不可能なケースで行われることがあります。

  • 眼球の重度感染
  • 眼球内容物の脱出
  • 眼球の慢性疼痛

眼球摘出は痛みの解消を目的とした救済的な手術になります。

猫の角膜穿孔の予後

猫の角膜穿孔は早期に治療が行われれば視力を残すことが可能です。
しかし、

  • 穿孔が大きい
  • 感染が重度
  • 受診が遅れた

場合は、視力障害や失明のリスクが上がります。
猫の角膜穿孔は治療後も穿孔部の角膜に白濁した跡が残ってしまう場合があります。
白濁した跡が残ってしまっても猫の日常生活に影響を及ぼさないことが多いですね。

下を見下ろす猫

まとめ

猫の角膜穿孔は治療が遅れると失明に繋がる病気です。

最初は小さな目の傷でも、猫が目を擦ることで一晩で角膜穿孔に至ることがあります。
早期に角膜専攻の治療を行えば、猫の視力を保つことも可能です。

当院は猫の角膜穿孔を含めた眼科疾患に力を入れています。
「黒目がおかしい」「涙が多い」などいつもと違うサインを見つけたら、気軽に当院へ起こしください。

サーカス動物病院

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